陰陽師というと平安時代というイメージが強いかもしれませんが、陰陽師が務めた「陰陽寮」は、奈良時代中期に施行された『養老令』下にあり、『養老令』は飛鳥時代末期に施行された『大宝令』とほとんど同じ内容です
陰陽師と巫女は漠然と似たようなものと認識している人も多いと思います。確かにどちらも霊的なものに関わるというイメージが強いです。まず簡単に両者の仕事内容を見てみましょう。
陰陽師
巫女
確かに古代の日本では、天文現象を「神からのメッセージ」と解釈されていたので、天文学に通じる陰陽師は、神の声を聞ける巫女にかなり近い存在ともいえますね。
ただし巫女の場合、陰陽師の五行思想のようにベースとなる理論体系があって、天文・風雲・暦数・時刻を観測、考察して吉凶を占うというものではありません。学問よりセンスが問われる職業でしょう。
また陰陽師は明治時代に廃止されてしまいましたが、巫女は現在も職業として存在します。現代の巫女の役割は占いや祈祷ではなく、神社で神事の奉仕をしたり、神職を補佐する役割に変化しました。