
暦を読み、星を測り、霊を呼び、神を祀る──陰陽師たちは、そのすべてをシンボルと道具に託してきました。呪術的な儀式を行うとき、ただ言葉を唱えるだけじゃダメ。世界の構造を正しく「視覚化」し、「操作」するためには、宇宙観そのものを宿したアイテムが必要だったのです。
今回はそんな陰陽道の中核をなす太極図・暦盤・装束といったシンボル群に注目し、それぞれが持つ意味と役割をわかりやすくかみ砕いて解説していきます!
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陰陽道を象徴するアイコンといえば、なんといっても太極図(たいきょくず)。白黒の勾玉みたいなアレですね。けれど、この図はただのおしゃれマークじゃありません。そこには壮大な哲学が込められてるんです。
太極図では、
という二元性が表され、それが渦巻くように交差してることで、どちらかが極まると、反対の性質に転じるという自然のサイクルを描いています。
しかも、白の中には黒い点が、黒の中には白い点がある。つまり、完全な陽・完全な陰なんて存在しないという、柔らかな宇宙の法則がここにあるんですね。
陰陽師が時空を読むときに使うのが暦盤(れきばん)や式盤(しきばん)。これらは天(円)と地(方形)をかたどった道具で、星の位置・時間の流れ・方角の吉凶を読み取るための計算盤なんです。
中でも有名なのが六壬式盤。
ここには…
などが同心円状に配置されていて、回転させながら時間・方位・人物の運命を“読み解く”使い方をします。現代でいえば、星座盤+占いソフト+方位コンパスが一体化したようなもの!
つまり、暦盤とは「宇宙を手のひらに収めた道具」でもあったんです。
陰陽師の服――あの独特な狩衣(かりぎぬ)や袍(ほう)には、儀式的・象徴的な意味がいっぱい詰まってます。
まず、装束には太極図・八卦・五行の刺繍が施されていることもあり、それ自体が結界を張る道具になってたんです。つまり、術者の身体そのものが“霊的なアンテナ”になるってわけ。
さらに装束の色や形は位階や祭儀内容によって変化し、神前では白、魔除けでは黒や朱といったように、色彩も霊的意味を担ってました。
陰陽師の道具箱には、いろんなモノが入ってます。たとえば…
これらは単なる小道具ではなく、それぞれが場の霊的構造を整えるためのキーアイテム。結界を張る、霊を呼ぶ、霊を送るという流れの中で、的確に使い分けられていたんです。
最後にご紹介したいのが八卦(はっけ)と洛書(らくしょ)/後天図。これらは宇宙の秩序を数字と図形で可視化するためのツールです。
八卦は3本線で構成され、天・地・火・水・山・雷…など自然界の力を示します。太極図とセットで描かれることが多く、陰陽の変化をどう現実世界に展開するかを示してくれる羅針盤みたいな存在。
さらに洛書・後天図は、数字のパターンで吉凶を判定したり、儀式や建築の方位を決定する“設計図”として使われました。
陰陽道におけるシンボルと道具は、目に見えない世界を扱うための操作盤。見た目はシンプルでも、その背後には宇宙を整える思想がギッシリ詰まっているんです。
五行要約
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