
「安倍晴明(あべのせいめい)」って、名前からしてすでに神秘的だと思いません? でもこの「晴明(せいめい)」って名前、実は“本名”の読み方じゃないかもしれないんです。じゃあ、本当はなんて呼ばれていたの? 幼名やあだ名は? ――そんな疑問にお答えしていきます!
安倍晴明の名前、いまでは「せいめい」と読むのが一般的ですよね。でもこれ、じつは後世になってからの有職読み(ゆうそくよみ)。つまり、公式文書や礼儀作法上で音読みするパターンなんです。
本来、平安時代の人名は訓読みが主流だったので、「晴明」は「はるあき」または「はるあきら」と読んでいた可能性が高いんです。
「安倍(あべ)」姓は、飛鳥・奈良時代から続く古代豪族のもの。晴明の先祖は安倍益材(あべのますき)とされていて、摂津国阿倍野(今の大阪市阿倍野区)出身だと伝わっています。
ちなみに、この「阿倍野」の地名、実際に今でも残ってますよね。もしかすると晴明ゆかりの土地を歩いてるかも? って思うとちょっとワクワクします。
幼いころの晴明には、「安倍童子(あべのどうじ)」という名がついていたと伝わっています。白狐・葛の葉が母だったとされる『葛の葉伝説』での呼び名がこれなんです。
「童子」って、いまの言葉でいうと「坊や」くらいのニュアンスですけど、晴明の霊力が開花し始めた時期の名前として、神秘性を帯びて語られていますね。
実は、晴明に関するニックネーム(あだ名)って、史料にはほとんど残ってないんです。彼は官職者だったので、公文書では常に「晴明」とか「安倍晴明」とだけ記されていた様子。
でも平安時代の人々は、彼の名前を「せいめい」と尊称込みで呼ぶようになっていきました。だから一種の通称・あだ名として「せいめいさん」が定着していったのかもしれませんね。
名前の意味を見てみると、「晴」は“晴れわたる清明な空”、「明」は“光・知恵・透視力”を象徴する漢字。つまり、
「晴明」は、陰陽道にふさわしい“天地を見通す存在”を象徴する名前だったんです。
さらに、岡山県の阿部山には晴明が天体観測をしたという伝承が残っていて、「星を読む男=晴明」のイメージにも合致しています。
五行要約