
十二天将の中でも、ひときわ不気味でトリッキーな存在――それが騰蛇(とうだ/とうしゃ)です。
羽の生えた蛇の姿であらわれるこの神将は、見た目のインパクト通り、なにやら“ただ者じゃない”雰囲気。火をまといながら空を舞い、霧や幻、そして人の心のスキを突いてくるようなエネルギーを持っています。
このページでは、そんな騰蛇の能力と司る方角について、陰陽道や古代占術の知識を交えて、わかりやすくかみ砕いて解説します。
騰蛇は十二天将の「前一」に位置し、五行では火(丁)、十二支は巳、季節は夏に対応。そして、司る方角は南東とされます。
この南東方位は、本来であれば春から夏へ向かう「発展のエネルギー」があるのですが、騰蛇がここにいると、情報の混乱や心の揺れといった“不安定さ”をもたらすんです。
まさに、「燃え上がるような混乱の気」とでも言える感じ。
騰蛇は、ただの火の精霊ではありません。その力は多面的で、以下のような象徴を持っています。
このあたり、ちょっと妖怪っぽさすら感じさせますよね。でも、それこそが騰蛇らしさでもあるんです。
古代中国の奇門遁甲や大六壬では、騰蛇の登場は要注意のサイン。
たとえばこんな現象が予兆されるとされています。
「火のエネルギー」が燃え広がって、しかもそれが制御できない。だからこそ、対話や情報伝達に注意が必要とされるんですね。
陰陽道においては、騰蛇は式盤の南東に配置され、主に幻術・策略・心理的防御の領域で活用されました。
たとえば……
意外にも「霊的防御」の面でも効果を発揮する、そんな裏の知恵者みたいなポジションなんです。
現代のゲームやアニメでは、騰蛇をモチーフにしたキャラは幻惑系・情報操作系・火霧を使う妖蛇型として描かれがちです。
たとえば……
ただの攻撃型ではなく、“どう動くかわからない怖さ”を武器にする。まさに混乱の支配者!
五行要約