十二天将「太陰」の能力と司る方角

十二天将「太陰」の能力と司る方角

「太陰」は月の象徴とされ、陰陽師が夜や隠れた事象を読み解く際に用いた神格である。陰陽道においては知恵や内省、影の作用を司ると考えられていた。司る方角としては西側~西南あたりが定められており、特に西を重視する場面では太陰の影響が強まるといえる。

月光に秘めた叡智の守護者──静かに導く「十二天将・太陰」をわかりやすく解説!


「太陰(たいいん)」──なんだか静かで、月の光のように優しい名前ですよね。でもこの太陰、ただ優しいだけじゃありません。十二天将の中でも、特に“陰の力”に長けた存在で、「隠す・守る・秘める」といった目に見えない働きでじわじわ効いてくるタイプなんです。


しかもただの“隠れキャラ”じゃなくて、智恵・直感・母性といった深いテーマを司る“吉将”でもあるんですよ。そんな太陰の秘密に迫って、方位・性格・風水での扱い方を一緒に見ていきましょう!



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太陰と十二天将の概要

「十二天将」は、古代中国から伝わる六壬神課で使われる12柱の神将たち。占術の中で星や方位を司る存在です。


その中で「太陰」は、“後二”に属するポジションで、五行は金(陰)十二支は酉十干は辛に対応。西方を守る吉将として、しっかりと場を見守るような落ち着いた雰囲気を持っています。


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太陰の起源と伝承

太陰(十二天将に通じる月神・太陰星君の図)

太陰(十二天将に通じる月神・太陰星君)
月の神格である太陰星君を描いた古画。十二天将の「太陰」と結び付く月の象意を示し、陰の力や夜の守護を象徴するモチーフとして扱われてきた。

出典:『Hermitage Museum XX-2453 Moon Planet - Tai-Yin』-Photo by Unknown/Wikimedia Commons Public domain


太陰のルーツは、六壬神課や陰陽道にあります。特に陰陽道では、八将神のひとり「太陰神」としても登場し、「太歳神の后」として女性的な力を象徴する存在として扱われてきました。


中国の古典では、後宮や婢妾(ひしょう)を象徴するとされ、秘められた情や陰の感情を司るといわれます。だからこそ、「秘密」「保護」「直感」「隠蔽」といった働きが強く、時には“裏の世界”に影響を与える存在として恐れられもしたんです。


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太陰が司る能力や事象

太陰が得意とするのは「目立たないけど重要な働き」。以下のような象意が代表的です:


  • 蔽匿・隠蔽:ものを隠す力。秘密を守る、情報を遮断する。
  • 保護・庇護:大切な人や事柄を静かに守る。
  • 知恵・冷静さ:騒がず動かず、見抜く力に優れる。
  • 女性性:母性や女性特有の繊細な感受性を司る。


占術では、女性の悩み事、学問、秘密事などを扱う際に太陰の力を重視します。ただし、空亡と組み合わさると「陰謀・偽り・嫉妬」などマイナスに働く場合もあるので注意が必要です。


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太陰が司る方角

太陰は西方を守護し、秋を象徴する存在。六壬の式盤でも西が太陰の定位置です。


風水でも太陰の位置は重要視されていて、以下のような行動には特に関係してきます:


  • 吉:密談・保管・研究・文芸活動
  • 凶:結婚・妊娠・女性同士の対立・嫉妬


太陰は“動かず守る”のが得意な神将。だから何かを仕掛けたり動いたりするにはやや不向きで、慎重な行動が求められるんですね。


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太陰から紐解く陰陽五行説

五行で「金」、陰陽で「陰」。まさに陰中の陰といえるのが太陰です。


金の五行は「静かに研ぎ澄ます」性質を持ち、陰になるとそれがより内向的になり、「隠す・閉じる・選別する」働きに変化します。


太陰の五行的作用はこうまとめられます:


  • 金の鋭さ:洞察力・知恵・判断力
  • 陰の静けさ:保護・秘める・冷静
  • 土生金の関係で、安定した環境があるとその力を発揮しやすい


つまり、整った環境でこそ力を発揮するタイプで、混乱の中では“過剰に閉じてしまう”こともある、繊細な存在なんです。


五行要約

 
  1. 太陰は五行「金」、方角「西」、季節「秋」の月の吉神
  2. 隠す・守る・秘める力に優れ、女性性や智慧の象徴でもある!
  3. 結婚・出産・学問に影響し、状況によって吉にも凶にもなる!
  4. 日本では八将神の一柱で、秘事や密儀に使われていた!
  5. 現代では月や封印・知恵を使う式神キャラとして人気が高い!