夜空に輝く北斗七星──誰もが一度は見上げたことのあるあの形。でも陰陽道では、この七つの星、ただの「星」じゃないんです。むしろ寿命・運命・魂の行方を左右する“天の司令塔”なんですよ!
このページでは、その北斗七星を使った陰陽道の占術「七星占(しっしょうせん)」について、神秘的な世界観と具体的な使い方をわかりやすくかみ砕いて解説します!
北斗七星は運命を司る「星の王」
陰陽道では、北斗七星は「星辰(せいしん)の王」とされ、人の寿命・魂魄・命運・災厄をすべて司る存在と考えられていました。星というより神格に近い存在です。
七星にはそれぞれ固有の徳目と力があり、安倍晴明などの陰陽師は、この星の力を借りて占いや祈祷を行っていたんです。
七星占とは?生年で決まる「属星」
「七星占(しっしょうせん)」は、生まれ年の十二支から自分の守護星=属星を導き出す占いです。一度決まった属星は、生涯変わらない“人生の指針”となります。
それぞれの星はこんな感じのイメージで分担されてます:
- 貪狼星(とんろう):生命の源、情熱、スタートの星
- 巨門星(きょもん):知恵・弁舌・学びの星
- 禄存星(ろくぞん):財運・子孫・福を呼ぶ星
- 文曲星(ぶんきょく):芸術・文化・名誉を司る星
- 廉貞星(れんてい):強さ・決断力・戦いの星
- 武曲星(ぶこく):名声・権威・実力を表す星
- 破軍星(はぐん):破壊と再生、変革の星
この「どの星の生まれか」で、性格傾向・災厄の種類・寿命の流れまで読み解くことができるんです。
具体的な占いの流れ
七星占は、こんな流れで行われます。
- まず生年の干支を確認
- その干支に対応する属星(守護星)を調べる
- 属星の特性から、人生傾向・性格・注意すべき災厄などを読み取る
- 北斗七星の配列と一致させて、魂の位置づけや来世傾向まで見る
さらに、陰陽師たちはこの情報をもとに、延命・厄除け・福運祈願を行っていました。
祈祷と儀式:北斗の力を引き出す方法
占いだけじゃないのが、陰陽道の奥深いところ。北斗七星を祀って、実際に祈祷や儀礼を行う文化も根づいていました。
- 北斗曼荼羅:七星を仏の姿として描いた曼荼羅。瞑想・祈祷に使用
- 星供法(ほしくほう):属星ごとに行う密教的な祈祷法
- 北斗祭り:神社などで星の加護を祈る年中行事
- 北斗踏み(ぶごう):地面に七星の配置を描き、そこを順に踏んで祓う儀式
こうした儀礼は、ただの象徴ではなく、「天と人を結ぶ実践術」として扱われていました。
現代にも残る北斗信仰
北斗七星を使った占術や儀礼は、今でも一部の神社・仏閣・修験道のなかで生きています。たとえば:
- 北斗星符(おふだ):属星ごとの守護札
- 選日術:星の位置から「吉日・凶日」を決める
- 星祭り:節分・立春などに合わせて、星回りの災厄を祓う行事
また、安倍晴明は北極星=太一神を主祭神とする泰山府君の信仰を取り入れ、自らの術式にも活用していたとされます。
五行要約
- 北斗七星は陰陽道で命運や寿命を司る「星の王」!
- 生まれ年の干支から属星(守護星)を割り出して占う!
- 七星ごとに性格・運勢・災厄の傾向が違う!
- 北斗曼荼羅・星供法・北斗踏みで祈祷や浄化を行う!
- 今でも神社や星祭りで北斗信仰は息づいている!