陰陽師の流派とは|天文道・暦道・宿曜道の特色を知る

陰陽道といえば安倍晴明が活躍した「呪術の世界」ってイメージが強いけど、実はその内側には“複数の専門部門=流派”があったんです。占いだけじゃなく、天体観測、暦の作成、祈祷など、それぞれが異なる術域を持っていて、ちゃんと役割分担されていたんですよ。

 

しかもそこには、密教僧たちが扱う宿曜道なんていう異色の占星術まで関わってきます。そう、陰陽道の世界って、思ってるよりずっと奥深くて多彩なんです!

 

このページでは陰陽師の流派ともいえる「天文道・暦道・陰陽道・宿曜道」の特色と、それぞれの関係性を、わかりやすくかみ砕いて解説します。

 

 

h3
天文道は空の異変を読む専門部門

天文道(てんもんどう)は、星や月、太陽の動きを日々観測する専門チームのこと。ちょっとした彗星の出現や月食なんかも見逃さず、すべて記録していきます。

 

  • 天体観測のプロで、夜な夜な空を眺めるのが仕事
  • 異象(彗星・日食・流星など)があれば、それが「吉兆」か「凶兆」かを占う
  • 結果は天文博士が「密奏」として天皇に報告

 

こういう報告は政治判断にも影響したから、まさに「国家の眼」とも言える存在だったんですね。

 

h3
暦道はカレンダーと吉凶を作る役所

暦道(れきどう)は、いわば「時間の管理人」。毎年配られる暦(具注暦)をつくるのが仕事で、いつが引っ越しに良い日か、仏事に向いてるか、全部ここが決めてたんです。

 

  • 太陽・月の運行を元に、年・月・日・干支の巡りを算出
  • 毎年の暦注(こよみの注記)を編纂して、吉凶を記す
  • 賀茂氏が暦博士を代々世襲し、大きな影響力を持った

 

だから当時の人は、恋愛や旅、病の治療まで全部“暦”に従って決めていたんですね。信頼されすぎ!

 

h3
陰陽道は占術と祓のスペシャリスト

名前そのものの陰陽道は、「祓い」「占い」「呪術」に特化した、いわば“行動部隊”。表舞台の事件や儀式の裏では、必ずこの流派が関わっていたといわれています。

 

  • 祓(はらえ)儀式で災厄・疫病を祓う
  • 方位や吉凶を卜筮(ぼくぜい)によって占う
  • 必要に応じて結界呪符も設置

 

朝廷からの信頼も厚く、陰陽寮においては実務の要とも言える役割でした。

 

h3
宿曜道はインド式の占星術

ちょっと異色なのが宿曜道(すくようどう)。これはインドから伝わった占星術で、密教の僧侶たちが使っていました。星供養とか、儀式っぽいことも多かったんですよ。

 

  • 二十七宿・九曜・十二宮などを使った運勢鑑定
  • 個人の宿星から吉日や相性を占う
  • 宿曜師と呼ばれる密教僧が担当

 

平安時代には陰陽道と対立・共存しながら、貴族の間で人気を集めたんです。

 

h3
専門分化と共闘の歴史

この4つの術域はそれぞれに専門性を持ちつつ、ときに協力し、ときに対立しながら日本の呪術体系を築いてきました。

 

  • 天文道×暦道:星の観測データを元に暦を作成
  • 陰陽道×宿曜道:吉凶の判断や日取り選定で協力も対立もあり
  • 暦道×宿曜道:宣明暦導入をめぐって論争勃発

 

それぞれが国家の一部門として機能しながら、時には学術論争で火花を散らしたというわけです。

 

五行要約

 
  1. 天文道は天体観測と異象の解釈に特化したプロ集団!
  2. 暦道は具注暦を作り、吉凶日を管理する時間の司令塔!
  3. 陰陽道は祓いや占い、呪術のスペシャリスト!
  4. 宿曜道は密教系の占星術で個人運命を読み解く!
  5. 四つの道は連携と対立をくり返し、日本の呪術文化を形成した!