
「金神(こんじん)」
陰陽道や風水にちょっとでも興味がある人なら、一度は耳にしたことがあるかもしれません。方位の神さまの中でも、この金神だけはちょっと別格の怖さ…。古くから「動かすとヤバい」「犯すと死ぬ」とまで言われてきたんです。
このページでは、なぜそこまで金神が“怖れられてきたのか”、その深いワケを古代の伝承から現代の信仰、さらにはスピリチュアル現象までひも解きながら、わかりやすくかみ砕いて解説します!
金神は陰陽道において凶方位を司る神のひとり。その年に金神が配される方位は、あらゆる「土を動かす」行為がタブーとされました。
つまりは、
これらをやると祟りが起こると恐れられていたんです。つまり金神がいる方位は、生活における重要行動すべてに影響を与えていたということ!
中でもインパクトが強かったのが、七殺(しちさつ)の伝承。
金神の方角を犯すと…
「家族7人が死ぬ。7人いなければ、隣人まで死ぬ。」
さすがに現代感覚では信じがたいですが、こうした伝承が広く信じられた背景には、金神=死を呼ぶ神というイメージが強く根付いていたんです。単なる方位神じゃなくて、生死の境に関わる神として、リアルに恐れられていたんですね。
金神の中でも特に怖れられたのが「艮(うしとら)金神」。
これは鬼門(北東)に位置する金神で、特別に強い祟りを持つとされていました。
巨旦大王(こたんだいおう)や国常立命(くにとこたちのみこと)と同一視され、地底から災厄を呼ぶ王のような存在とされたんです。実際、艮金神の年は建築どころか旅行すら避けるのが鉄則。
この「艮金神=最凶の祟り神」イメージが、人々の間で金神の恐怖を決定づけたんですね。
それでもどうしても動かざるを得ない時、人々は「方違え(かたたがえ)」という回避法を取りました。
このような迂回や儀礼をしながら、金神の怒りを避けようとしたわけです。平安貴族から江戸町人まで、身分を問わず大事にされた風習で、現代の風水や家相にもその名残があります。
過ぎ去った昔の風習と思いきや、今まで紹介したような金神信仰は以下のような形で現代にも息づいています。
中には「金神に詫びを入れたら難病が治った」なんて体験談まで…。さらに、晴明神社で時計が動き出したとか、無風の中で風が吹いたといったスピリチュアル現象も報告されています。
つまり金神は、「怖い」だけじゃなく、「祓えば助けてくれる」という信仰と救済の両面性を持った存在でもあるんです。
五行要約