
安倍晴明って、一体何者だったの?
この問いに対しては、いまだに“答えがひとつじゃない”のが面白いところ。記録上はれっきとした国家公務員。でも、伝説の世界では「狐の子」だったり、「半妖」だったり、もはや人間なのかどうかすら怪しい…。
このページでは、そんな安倍晴明の“正体”問題に迫ってみます!
まずはガチの史実から。安倍晴明は、平安時代(10世紀)に実在した人物。国家機関・陰陽寮に所属し、天文・暦・占術などを専門とする天文博士の職にありました。
生年は921年ごろ、没年は1005年。師匠は有名な賀茂忠行・保憲親子で、彼らから正式に陰陽道の術を学び、実務と儀式のエースとして仕えた人物なんです。
つまり、書類上はまごうことなき「真人間」。
しかも、ちゃんと官位もあって、出世もしてる。貴族社会の中で尊敬され、天皇や藤原道長から信頼されてたという点では、バリバリの“エリート公務員”でした。
一方で、民間に伝わる晴明像はちょっと違います。有名なのが、母親が妖狐葛の葉だったという葛の葉伝説。
ある日、人間の男性・安倍益材(晴明の父)が、狐に襲われていた白狐を助けたところ、その狐が美女に化けて妻になり、晴明を生んだ…という話です。
これが「狐の子・安倍晴明」伝説の原点!
この出自によって、彼が生まれながらにして霊力を持っていたことが“納得できる理由”として語られたわけです。
さらには、晴明を神のような存在と見る視点もあります。人間と妖狐のハーフ、つまり半妖というだけでなく、霊的な存在としての「半神格」として描かれることもしばしば。
「式神を十数体も自在に使役した」とか、「鬼や怨霊を瞬時に見抜いた」とか、人間の域を超えた逸話が山ほどあるんですよ。
このあたりから「安倍晴明=人外」説がどんどん広がっていきます。
そもそも、晴明の活躍って霊的で目に見えない世界が中心だったので、正体があいまいでも問題なかったんですよね。
むしろ、史実的な“地に足のついた晴明”と、伝説的な“空を舞う晴明”の両方があることで、彼は人と妖・神のあいだを行き来するような存在になったんです。
まさに“境界の男”というキャラ付けが、後世の想像力をくすぐったってわけです。
実在の人物としては、人間。それは間違いありません。でも、「狐の子」「半妖」といった伝説は、彼がただの人では語れない影響力を持っていたことの表れ。
つまり、安倍晴明は…現実と幻想をつなぐ象徴的存在だったと言えるんじゃないでしょうか。
「晴明とは何者か?」という問いに、はっきりとした答えは出ません。でもだからこそ、今も語り継がれ、愛されているんですね。
五行要約