
引っ越し、旅行、通勤……どこかに出かけるとき、「この方向って、ヤバくない?」と不安になったことありませんか?そんな時、平安時代の人々は「方違え(かたたがえ/かたちがえ)」という風習で対応していました。
これは陰陽道から生まれた凶方位よけの実践術。このページでは、そんな方違えの意味と具体的なやり方について、わかりやすくかみ砕いて解説します!
方違えは、一言で言えば「凶方向を避けるための遠回り作戦」。
たとえば、「今日は東に行くと災いがあるよ」と言われた場合、その方向に直接向かうのではなく、まず別の方角に一泊して、そこから目的地へ向かうというスタイルです。
このとき、方位の吉凶を占ってくれるのが陰陽師。彼らは空や暦を読み解き、その日の凶方位神がどこにいるかを教えてくれるんですね。
方違えの背景には、「方位にも神様がいて、怒らせると災いが起きる」という考え方があります。
とくに恐れられていたのが以下の五柱の方位神たち:
これらの神がいる方向に無防備に向かうと、不幸や病気が降りかかると信じられていたのです。
やり方はとってもシンプル。でもしっかり儀式化されてました。
これで「自宅→目的地」の凶ラインを回避できるというワケ。
例えば『源氏物語』では、光源氏が宮中から自宅へ戻る際、左大臣邸に一泊してから帰るエピソードが登場します。これもバッチリ方違えの実例!
方位神の中でも、大将軍や金神のように長期間同じ方角に居座るタイプは、かなり厄介。
そのため……
なんて大がかりな儀式も存在しました。これが「四十五日方違え」。まさにガチ勢のレベル!
また、日々の通勤にすら「今日はこの道通れない」となれば、出社ルートを変える……そんなストイックな貴族もいたんです。
時代が下ると、方違えの風習は庶民にも広がり、現代では簡略化されていきます。
特に大阪の方違神社や京都の城南宮などは、今でも方除け・八方除けで有名ですよね。
五行要約