
「今日は運がいい日かも?」とか「この日は避けた方がいいなあ」なんて、ふと感じることってありますよね。実は昔の人たちは、天体の動きを観察して、毎日の吉凶をバッチリ判断していたんです。その仕組みのカギになっているのが、二十八宿(にじゅうはっしゅく)!
このページでは陰陽道における吉凶判断の根拠と、二十八宿の役割について、古代中国から日本にかけての流れも含めてわかりやすくかみ砕いて解説します!
陰陽道では、自然界の動きが人間の運命に影響を与えると考えられていました。太陽や月、惑星の動きだけじゃなく、星座や風向き、地形にまで注目していたんですよ。
その中でも、とくに重視されたのが月の動き。月が毎晩どの星の位置にあるかを見て、その日の吉凶や適した行動を判断していたんです。
ここから生まれたのが、「宿曜道(しゅくようどう)」とも関係の深い二十八宿という考え方。
二十八宿とは、月が約1か月(28日)かけて天球上の28の星座を一つずつ巡っていくという仕組みからきた分類です。
それぞれの宿は、以下のように四方位の神獣(四象)に対応して並んでいます。
つまり、「今日の月はこの宿にいるから、今日は○○に向いてる」みたいな感じで、毎日の行動をチェックしてたんですね。
実は、すべての宿が“吉”というわけではありません。それぞれに「宜(よい)」「忌(いましめ)」があり、行動の向き不向きを示す指標がついています。
たとえば角宿は「婚姻・旅行・祭祀に吉、葬儀は凶」とされる一方で、鬼宿は「葬式には良いが、それ以外は凶」とされています。行動別に「どの宿が合うか」がかなり細かく定まってるんです。
この二十八宿、古くは中国の天文学からスタートして、日本では空海が伝えたとされる『宿曜経』によって広まりました。
江戸時代の貞享改暦(1685年)では、正式に中国式の二十八宿が暦に採用され、吉凶判断や占星術のベースとして利用されるようになります。
さらに陰陽寮では、陰陽師が天体観測や宿曜をもとに、朝廷の行動予定や年中行事の可否を判断していたんですよ。まさに国のスケジュールまで左右するレベル!
中国でも同じく二十八宿を用いた選日文化(択日学)があって、風水や開運術と結びつけて応用されていました。
ただし、現代の中国では六曜のような形式はあまり残っていません。その代わり、干支・星宿・九星などを組み合わせて総合的に吉凶を判断するスタイルに進化しています。
一方、日本では民間暦や高島暦などに二十八宿がそのまま残り続け、今でもお日柄を見るときの参考にされているんです。
五行要約