陰陽師って、空を見て暦を作る人でもありました。でもこれって、現代の「天文学者」とは全然ちがうんですよね。確かに、どっちも星を観る仕事には変わりないんだけど、目指しているゴールがまったく違うんです。
- 天文学は「どうして月は満ち欠けするの?」とか「この星の軌道ってどうなってるの?」みたいな疑問を、理論と観測で解き明かす科学の分野。
- 陰陽道は「この日取りで結婚式して大丈夫?」「北東の鬼門があやしいから移動やめとこ」みたいに、天の動きを使って吉凶を判断する技術・儀礼の世界。
じゃあ、似てるようで全然ちがうこの2つ、どこがどう違うのか。このページでは「天文学」と「陰陽道」の違いについて、しっかり比較していきます!
目的の違いがいちばん大きい
一言でいえば、観る理由がちがうんです。
- 天文学は「宇宙のルールを見つけるため」に星を観る
- 陰陽道は「人の運命や国の吉凶を占うため」に星を観る
つまり、天文学が「真理の探求」なら、陰陽道は「生活への応用」って感じですね。
使う道具と手法も全然ちがう
現代の天文学者と陰陽師じゃ、手にしてるアイテムからして別モノ。
- 天文学:望遠鏡・分光器・コンピュータなどでデータ解析
- 陰陽道:渾天儀・太陰太陽暦・式盤・干支・九星などの道具を使って方角や時間を読み解く
天文学者は「この惑星の質量はいくら?」って計算するけど、陰陽師は「この星がこの位置にあるってことは災いの前兆かも…」って判断する感じ。
所属していた組織がちがう
どこで働いてたのか、という話もおもしろいところ。
- 天文学者:大学や研究機関に所属する現代の科学者
- 陰陽師:律令制度下の陰陽寮に所属する国家官僚。天文博士や暦博士といった役職があった
だから陰陽道は、科学者というよりも「暦と星を使って国家を運営する技術職」だったんです。
思想の根っこが違う
天文学は近代科学。陰陽道は思想と呪術の世界。
- 天文学:因果関係を理詰めで追いかける、自然科学
- 陰陽道:陰陽五行や八卦の思想に基づいた占術・儀式の体系
星が動く理由を数式で説明しようとするのが天文学。星の動きから「人間の運命」や「国の異変」を読み解こうとするのが陰陽道なんです。
歴史的には一部つながっている
実はまったくの別物…というわけでもないんです。
- 陰陽道には天文学的知識がたっぷり取り入れられていた
- でも江戸時代以降、西洋の天文学が日本に入ってくると、科学と呪術の世界が分離していった
つまり、昔はごっちゃになってた部分もあるけど、今では完全に別々の道を歩んでるんですね。
五行要約
- 天文学は「宇宙の法則」を解き明かす科学!
- 陰陽道は「天の動き」を使って人の運命を占う技術体系!
- 道具も考え方も違って、片やデータ解析、片や方術と暦!
- 陰陽師は官僚として朝廷に仕えていた歴とした技術職!
- かつては繋がっていたけど、今では科学と呪術にくっきり分離!