

家の外にある「物置」って、ただの収納スペースだと思っていませんか?
実は陰陽道や陰陽五行説の観点から見ると、物置は家全体の氣の流れを整える“陰の守り”なんです。
家を人の体に例えるなら、物置はまるで「腎臓」のような存在。つまり、いらないものを溜めず、必要なものをきちんと循環させる場所なんです。
風水では、「物置の方角と状態」が家の運気や家庭の安定を左右すると考えられています。
陰陽師たちも、家の構えを観察する際にこの“補助の建物”を非常に重視していました。今回は、その物置の理想の場所と方角について、風水の視点からやさしくひも解きます。
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物置を設置する際、まず意識したいのが吉方位です。風水では「北西」と「東南」が特におすすめとされます。
北西は「主人・権威・金運」を司る方角であり、ここに物置を置くと家庭の基盤が安定するといわれています。東南は「木の氣」が巡る場所で、整理された物置なら人間関係運や発展運を助けてくれます。
例えば次のような方角バランスが理想的です。
──こんな具合に、物置は「北西・東南」を中心に据えると氣が穏やかに巡る構成になります。
物置を置いてはいけないのが北東(鬼門)と南西(裏鬼門)です。ここに物置を設置すると、家族の健康や基盤運を損ねる凶相になるとされます。
鬼門(北東)は氣の出入りが強く、物置を設けると“停滞の氣”を招きやすくなります。母屋と接して建てると特に凶とされ、氣の流れが乱れるのです。
南西の裏鬼門も同様に避けたい方角。特に湿気が溜まりやすく、陰の氣が強くなってしまう傾向があります。どうしても置く場合は、換気口や明るい窓を設けて氣を循環させましょう。
また、物置は母屋にくっつけて設置せず、少し距離を取ることが風水の基本です。近すぎると構えが乱れ、母屋の運気に影響することがあるためです。
“物置は家の影の守り手”。だからこそ、距離と方角を間違えないことが大切なんです。
方角だけでなく、物置の中身や状態も重要。
不要なものを詰め込みすぎると、陰の氣が滞ってしまうんです。
定期的に掃除し、湿気やホコリを取り除くことで、氣が循環します。風通しの悪い物置は、まるで氣の“ゴミ箱”になってしまいます。
可能であれば、小窓や換気口を設け、光と風を取り込みましょう。陽の氣が入ることで、陰陽のバランスが保たれます。
方角ごとに合う色があります。北西ならベージュや茶色、東南なら緑や黄緑がおすすめ。素材は木や土など、自然素材のものを選ぶと氣がやわらかくなります。
──物置は“しまうだけの空間”ではなく、“氣を整える場”として扱うと、運の流れがスムーズになります。
五行の観点で見ると、物置は「土の氣」を帯びています。家の安定・保存・管理を象徴する氣で、正しく整えることで他の五行を支える役割を果たします。
──こうして五行の力を意識して配置すれば、物置が家の氣の流れを穏やかに整えてくれます。
中国神話では、倉庫や蔵は神の宿る場所と考えられていました。富や穀物を守る「倉神(そうしん)」は、家の繁栄と安定を司る存在だったのです。
また、財を保つ神「玄冥(げんめい)」は北方を守る神として描かれ、水と土の氣を調和させる力を持っていました。これはまさに、北西の物置が金運と安定をもたらすという風水の理に通じます。
古代の人々も、“蔵を整えること=家を守ること”だと信じていたのです。
五行要約
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