


天后(てんこう)──字面や語感からどこか気品とやさしさを感じますよね。実際天后は十二天将のなかでも特に女性性と守護に優れた北西を司る吉神なんです。
その力は、水、冬、そして「後宮」や「婦女子」を守ることに集約されていて、静かだけどとても深い意味をもつ存在なんですよ。このページではこの天后の能力と方位について、しっかり紹介していきます。
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「十二天将(じゅうにてんしょう)」って聞いたことありますか?これは、古代中国の占術「六壬神課(りくじんしんか)」で使われる神将たちのことで、時間や方位、事象に応じて登場するスピリチュアルな存在たちなんです。
中でも天后は、その中の「後一(こういち)」という位置に配され、水・冬・女性・後宮を象徴する神将。ちなみに、同じ名前で仏教に登場する「十二神将」とは別モノなのでご注意を。

天后(媽祖)像
道教の海神としても信仰される天后(媽祖)の石像
出典:『Tianhou Temple Mazu stone statue』-Photo by Lukwo RuoShuma Simonz/Wikimedia Commons CC BY-SA 4.0
天后は古典『六壬秘本』によると、「天乙彩女(てんいつさいじょ)」の別名を持ち、文字通り「天の后妃」としての格を持つ神格なんです。
伝承では、天乙星の配下として、宮中の女性たちを守り、陰の事象──たとえば出産や恋愛、家庭内のトラブルなど、表には出にくい問題に対して密やかに力を発揮する存在とされてきました。
日本でも陰陽道の中で「後宮の神」として語られ、女性や家庭を守る守護神として信仰されていたんですよ。
では、天后が具体的にどんなことを司るのかというと──
その性格は「温和・包容・静謐」。まさに“水のような母性”といった存在ですね。
風水や陰陽道の視点で見ると、天后は北西の守護神。北西って、風水で言うと「家庭の主・支援・指導力」を意味する重要な方角なんです。
特に女性にとって大切な転機(結婚・引越し・就職)において、この方角が整っているかどうかで、運気が大きく左右されるとされます。
六壬式盤では、癸水(みずのと)や亥(いのしし)の位置に配置され、水気がもっとも旺じる冬に強い力を発揮します。
水辺での安全祈願や、後方支援の運勢向上などにも効果的なんですよ。
陰陽五行説で見た場合、天后は五行の「水」に属し、陰の気を帯びています。
「水」は五行の中でも柔軟性・知性・秘密・生殖に関わる要素とされ、また「流れる・包む・浄化する」といった特徴があります。
天后の持つ「女性性」や「包容力」「後方支援の役割」は、この水の象意そのもの。そして陰陽の中では陰性の柔らかい力として、外からは見えにくいけど深く作用する神将なんです。
五行要約
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