陰陽師（おんみょうじ）って、ただの占い師じゃないの？――そんなイメージを持ってたら、ちょっともったいない！

 

じつは彼らの活躍ぶりを知ると、当時の政治、科学、宗教、そして文化までもが見えてくるんですよ。

 

このページでは、平安時代の中で陰陽師が果たした役割を入り口に、あの時代のリアルな社会像を深掘りしていきます。

 

 

陰陽寮という“国家の司令塔”にいた陰陽師たち

まず押さえておきたいのが、陰陽師はただの占い屋さんじゃなかったってこと。

 

彼らは陰陽寮という国家官庁に所属し、天文観測、暦作成、時間管理（漏刻）など、今でいうところの科学者・技術官僚として働いてたんです。

 

しかも、方位判断や地相術で都市計画にも関わっていたから、ただ呪文を唱えてたわけじゃない。むしろ、平安時代の国家インフラを支える縁の下の力持ちだったんです。

 

自然災害や疫病と向き合う“現場のリスクマネージャー”

当時の人たちは、地震や疫病を神仏や怨霊の怒りとして捉えてました。

 

そんな中、陰陽師は天変地異の兆候を占い、祭祀や祈祷を通じて社会不安に対処していたんです。これ、現代で言えば「危機管理チーム」みたいなもの。

 

科学が未発達だったぶん、自然と人間のあいだに橋をかける存在として、超重要なポジションにいたってわけです。

 

平安文化に溶け込む陰陽師の技と信頼

貴族たちは毎日、暦注を見て行動を決めてました。方角、日取り、時刻……すべてに意味があるとされていたから、陰陽師のアドバイスは不可欠！

 

特に有名なのが藤原道長の『御堂関白記』。日記の中に「この日、陰陽師に吉凶を占わせた」なんて記述があるんです。

 

つまり、政治や儀式といった大舞台はもちろん、日常生活の選択肢にまで、陰陽師の判断が入り込んでいたんですね。

 

安倍晴明という“神秘の象徴”の登場

平安時代中期のスターといえば、やっぱり安倍晴明（あべのせいめい）！

 

彼は天文博士として国家に仕えながら、式神を操って悪霊を祓った――なんて伝説も残ってる、リアルとフィクションのはざまにいる人物。

 

晴明の登場によって、陰陽師は実務的な技術者から、神秘的な存在としての魅力を帯びていくんです。

 

この頃から、陰陽師は国家の象徴的存在として、文化や物語の中でも語られるようになっていきます。

 

宗教・文学・政治が交差する“平安世界”の要

陰陽師の役割を通して見えるのは、宗教・科学・文学・政治が全部つながっていたってこと。

 

たとえば、

 

• 道教由来の陰陽五行がベースにある
• 仏教の祈祷や神道の祭祀と融合する
• 和歌・日記・物語にその存在が登場する

 

……といった具合に、あらゆるジャンルで陰陽師が活躍してたんです。

 

まさに、宮廷文化の中枢を構成するキーパーソンだったってわけですね。