
安倍晴明と百鬼夜行(ひゃっきやぎょう)──まるで妖怪だらけのナイトパレードと、それを迎え撃つ最強の霊能力者のような構図ですが、実はこのふたり(?)の関係、晴明伝説の核心をなすほどに重要なんです。
ここでは、「見抜いた晴明」「封じた晴明」「守った晴明」という三つの観点から、晴明と百鬼夜行のつながりをわかりやすく解説します!
まず有名なのが、晴明がまだ少年だったころのエピソード。師匠の賀茂忠行とともに夜道を歩いていた晴明は、忠行すら気づかなかった妖怪の大行進=百鬼夜行の気配を察知します。
「このまま進めば命が危ない」と忠行に伝え、ふたりは別の道へ。それによって無事難を逃れた──この逸話は『今昔物語集』などにも記されていて、晴明の霊感・見鬼の才を示すエピソードとして超有名なんです。
すでにこの時点で、妖怪の世界と通じ合っていたってことですね。
百鬼夜行が通るルートとして知られるのが、京都の一条戻り橋。この橋の下には、なんと晴明の式神=十二天将が待機していたという言い伝えがあります。
つまり晴明は、百鬼夜行のルートを把握し、式神たちを配置して通過の監視と封印を行っていたというわけです。
この伝承のおかげで、一条戻り橋は今も「妖怪が通る橋」として知られています。ちょっと通るの、勇気いりますよね…。
陰陽師としての晴明は、都を護るのが本職。つまり、突然出現する妖怪集団=百鬼夜行を祓うのも日常業務だったんです。
実際、晴明は式神を使って結界を張ったり、呪術で追い払ったりしていたとされ、百鬼夜行への対処はまさに職務中の戦いだったわけですね。
彼の術がどれほど強力だったかは、「京都に晴明がいた時代、都は妖怪の被害が少なかった」という伝承が物語っています。
『今昔物語集』や『江談抄』といった文献では、晴明が「普通の人には見えないものを見ていた」ことがしっかり描かれています。
こうした記述は、晴明の超感覚や霊視力が後天的な修行ではなく、生まれつきの能力だったことを示していて、百鬼夜行との遭遇エピソードに説得力を与えています。
結局のところ、百鬼夜行という混沌と闇の象徴と、安倍晴明という秩序と知の象徴のぶつかり合いこそが、この伝承の根幹。
晴明は単に「見える人」ではなく、都のためにそれを制御しようとした存在なんですね。しかも、祓うだけでなく「監視して封印する」という高度な対応をしていたところが、彼のすごさです。
五行要約