
安倍晴明といえば、星を読む知恵者、鬼を退ける陰陽師…でも実は、「カエルを殺した」っていうちょっとショッキングな逸話があるんです。
え?あの晴明が? と思うかもしれませんが、この話、実はただの残酷話じゃないんです。
このページでは晴明とカエルの伝説を通じて、彼の術のすごさ、そして命に対する考え方まで、じっくり見ていきます。
平安中期、京都・広沢池のそばにある遍照寺を訪れた晴明。そこにいた僧たちが、ちょっと調子に乗ってこう言います。
「式神でカエル殺せるんでしょ?やってみてよ!」
これ、いま風にいえば完全に舐められてますね。ところが、晴明は黙って草の葉を一枚ちぎり、何やら呪文を唱えながらカエルに向かって投げつけた。すると――
カエルはぺちゃんこに潰れて即死。
僧たちは青ざめて言葉を失ったと伝わります。もう完全にバトルアニメのワンシーンですよ、これ。
このエピソードのポイントは、晴明が直接手を下していないってところ。
つまりこの話は、ただの殺生話じゃなくて、晴明の術の精度と式神操作のヤバさを見せつける“デモンストレーション”だったわけです。
実はこの話、ちゃんと平安〜鎌倉期の説話集にも載ってるんです。
教科書に載るようなレベルの話なので、「あのカエル即死事件」はかなり信憑性のある(もしくは強烈に広まった)逸話だったと考えられます。
ただし、晴明はこの後「簡単に命を奪うべきじゃない」とも語っていたそうです。
曰く、
「虫や小動物の命は簡単に奪える。だが生き返らせる術は知らない」
……なんというリアルなモラル感。
つまりこのカエル殺し、ただの見せ物じゃなく、術を使うことの覚悟を伝えるメッセージでもあったんですね。
このエピソードを聞けば一見晴明が、冷徹な人間にも見えるけど、実は無駄な殺生を悔いる思いや、術者としての責任の重さを噛みしめていたという見方も出来るんですね。
カエルひとつ殺すにも、式神を操るという“神の手”を動かすことになる――そんな「大いなる力には、大いなる責任が伴う」的な考えが、彼の中にはあったのかもしれません。
五行要約