十二天将「勾陳」の能力と司る方角

十二天将「勾陳」の能力と司る方角

勾陳は土の属性を持ち、争いや訴訟、敵を捉える役割を担う凶将として陰陽師の術式内で用いられてきた。辰(たつ/辰宮)に位置づけられ、方角としては南東寄り~中央付近にかけて所在するとされる。ゆえに、勾陳が動く方向を意識することで、陰陽道におけるその影響力を読み解く重要な手掛かりとなる。

大地の秩序を守る辰の将──正義と安定を司る「十二天将・勾陳(こうちん)」をわかりやすく解説!


勾陳(こうちん)と聞いて、ピンとくる人はなかなかの陰陽道通かも。でも実は、この勾陳って、ただの式神キャラじゃないんです。


元は中国の星官にルーツを持ち、十二天将の一柱として「戦」「訟争」「秩序維持」といった重たい役割を担ってきた存在。しかも南東の方位を守るっていう、けっこう重要なポジションなんですよ!


このページではそんな勾陳の能力や意味合いを、星・神・式神・方角の視点からわかりやすくかみ砕いて解説します。



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勾陳と十二天将の概要

十二天将っていうのは、陰陽道や道教の中で、天から降りてきた守り神たちのことなんです。そのうちの一柱が勾陳(こうちん)っていう神さまでして、けっこう頼もしいタイプなんですよ。


この勾陳、担当してるのは「辰(たつ)」と「土」。


で、何を司っているかというと──戦い、訴訟、そして秩序。


なんだかちょっと物騒に聞こえるかもしれませんが、要は「社会のルールを守る存在」ってことなんです。イメージとしては、現代でいうところの「治安部隊」みたいな立ち位置。ちょっと強めに見えて、実は守りのプロフェッショナルなんですね。


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勾陳の起源と伝承

勾陳大帝(天皇大帝)の神像(岡山壽天宮)

勾陳大帝(天皇大帝)の神像
十二天将の「勾陳」に通じる星官の帝神像で、北斗・紫微と結ぶ守護の性格が強いとされる。

出典:『天皇大帝』-Photo by Awen/Wikimedia Commons CC BY-SA 4.0


じゃあこの勾陳、もともとはどこから来たのかというと──ルーツは中国の星座、つまり「星官(せいかん)」と呼ばれる古代の天文学なんです。
「紫微垣(しびえん)」という天の宮殿のエリアにある6つの星のグループに属していて、その形がカギみたいにぐにゃっと曲がっていたので、「勾(まがる)陳(しずめる)」で勾陳って名前になったとも言われているんですよ。


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星から神へ──勾陳の“格上げ”ストーリー

それが時代が進むにつれて、ただの星の並びから格上げされて、道教の中で勾陳大帝というしっかりした神さまとして祀られるようになりました。
そしてとうとう、宇宙の秩序を守る「四御(しぎょ)」という超重要ポジションのひとりにまでなったんです。
つまり、「天の秩序を支えるエリート神チーム」に入っちゃったわけですね。


しかもこの勾陳が属する星座、北極星のすぐそばにあるんです。
動かない星の近くにいるってことは、昔の人にとっては「ぶれない中心」「絶対的な安定」のシンボルみたいな存在だったんですね。
で、そのイメージがそのまま「土地を守る神さま」っていう役割にもつながっていった、というわけです。


なんだか、ただの星の名前からはじまったとは思えないくらいの出世っぷりですよね。勾陳、意外とすごいんです。


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勾陳が司る能力や事象

戦、捕縛、訴訟、秩序維持──これが勾陳の担当分野なんです。つまり、争いを終わらせたり、悪をただしたり、ちゃんとケジメをつけさせる役目ってことですね。
だから勾陳って、「力でねじ伏せる」タイプの神さまではなくて、正義のために戦う存在なんです。ただ壊すだけじゃなくて、「きちんと収める」ってところに重きがあるんですね。


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争いを鎮め、正義を支える力

占いの場でも、勾陳が現れると「何か対立があるかも」とか「裁判沙汰に注意」とか、そういうサインとされることが多いんです。
敵がいるとか、邪魔されるとか、そういう場面で現れる神将だからこそ、読み解くポイントが多くて、けっこう意味深なんですよ。


それから、もうひとつ大事なのが軍事と政治に関わる役割。
勾陳は、道教ではかなり格の高い神さまとして扱われていて、「兵を動かす」とか「国を治める」といった軍政の守護神としての顔も持ってるんです。
「武で治める」「正義で抑える」──そんな力強いイメージもあって、大地や土地を守る神さまとしての穏やかな印象とは、またちょっと違う、きりっとした一面も見えてきますね。


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勾陳が司る方角

勾陳が守っているのは南東の方角です。陰陽道で使われる式盤でも、基本的にこの位置に勾陳がセットされてるんですよ。


で、この南東って、季節でいうと春と夏のあいだ──つまり土用の時期にあたるんです。この時期って、季節が切り替わるから、気の流れもけっこう不安定になるんですよね。


そういう「ちょっと揺らぎがちな時期や場所」を、土のパワーで安定させるのが、まさに勾陳の出番なんです。だから風水の考え方でも、「物事を静めたいな」とか「ゴタゴタを収めたいな」ってときに、この南東の方角をうまく使うといいって言われています。


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混乱を治めるサインとしての勾陳

それから、六壬や陰陽道の占いで勾陳が南東に出たときには、「もしかして争いの気配?」とか「裁判沙汰あるかも?」って判断されることもあります。でもそれって裏を返せば、今まさに混乱を正すタイミングが来ているっていうサインでもあるんですよね。バタバタしてる状況を、勾陳がピタッとおさめに来てくれてる、そんなイメージです。


また、勾陳は前四と呼ばれる配置にも属していて、そこでは辰=土性と結びつき、秩序を立て直す力を発揮すると考えられています。配置の背景にはいろんな流派の説もあるんですが、現代の多くの式盤では南東に置かれることが主流です。


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勾陳から紐解く陰陽五行説

勾陳は五行でいう「土」の属性を持っているんです。
この「土」っていうのは、五行の中では真ん中のポジションで、木・火・金・水をつなぎ止めて、全体のバランスを調整する役割なんですね。


そこに十二支の「辰(たつ)」のエネルギーが加わると、イメージとしては龍のチカラで大地の秩序を保つって感じ。なんだかちょっとかっこいいですよね。


陰陽の視点から見ると、勾陳は陰と陽のバランスを整える存在ともされていて、たとえば「悪いものを抑えて、正しいものを守る」──そんな働きがあると信じられてきました。


風水的にも、日常生活でも、すごく頼りになるパワーなんです。


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変化を支える“土”の力

あと「土」って、季節の区切りの時期──つまり四季の変わり目にも深く関係していて、「動かずに支える力」の象徴とされています。
変化が起こりやすいタイミングに、ぐらぐらしない“土台”を作ってくれる存在なんですね。


だから勾陳って、単に守るだけじゃなくて、変化の中で物事を安定させるという役目もあるんです。
家を建てるときの基盤づくりとか、家族の関係を整えたいとき、あるいは職場のチームワークをしっかり固めたいときなんかに、こういう“土の気”を意識して活かすと、流れがスッと落ち着くって言われていますよ。


五行要約

 
  1. 勾陳はもともと紫微垣の星官で、後宮と秩序の象徴!
  2. 十二天将では土の力と辰(たつ)に対応し、争い・訴訟を司る!
  3. 式盤では南東の守護神として配置され、安定をもたらす!
  4. 凶神でありながら、悪を制する正義の武将的な存在!
  5. 安倍晴明や現代作品でも戦・秩序を象徴するキャラとして描かれる!