
陰陽師って、和風ファンタジー物の影響で、式神を操ったり、呪文を唱えたり、妖怪退治をしたり、ファンタジックなイメージ、ありますよね。でも実は、もともとは国家公務員としてバリバリ働いていた技官だったんです!
天皇に仕えて国家を支えた「陰陽師」たちの、本来の役割を5つの柱に分けて紹介します。これを知れば、陰陽師の“本当のすごさ”がわかるはず!
まず、陰陽師といえばやっぱり占い!
といってもわかりやすく水晶玉で未来を見たりはしません。彼らが使ったのは易経(えききょう)に基づいた「筮竹(ぜいちく)」という道具。これで導き出される卦(け)を読み解き、「この日が吉ですよ〜」「あの方角は避けたほうがいいかも…」とアドバイスしていたんです。
遷都、戦、婚礼、引っ越し…とにかく何か重大な判断をする時は必ず陰陽師の“お墨付き”が必要だったんですね。
お次は土地選びのスペシャリスト!
地相(ちそう)・堪輿(かんよ)とは、いわば「古代版・風水」。お墓や建物の建てる場所、都市計画なんかも彼らの判断で決まっていました。
特に遷都などでは大事な任務で、気の流れ(龍脈)や水の位置、地形の傾きなどを読み解き、「ここは良い気が巡る場所です!」と判断してたんです。
「空を見上げることも仕事のうち」──まさにそんな役割もありました。
陰陽師は日食・月食・彗星・星の動きを日々観測して、天変地異の前触れや吉兆を見抜こうとしてたんです。
しかもただ観察するだけじゃなく、それを記録して天皇に“密奏”する義務もありました。星を読む力は、そのまま政治的助言にもなったんですね。
陰陽師の仕事の中で地味だけど超重要なのが暦(こよみ)づくり。
暦といっても、月と太陽の動きをベースにした複雑な太陰太陽暦。毎年の暦は、国家が作成して頒布していた公的文書だったんです。
陰陽師は、天文観測の結果をもとに、二十四節気や朔望(月の満ち欠け)を反映させた暦を作成。暦博士と連携して、春分の日や立秋の日なんかを決めていたんですよ。
最後に、儀式やお祓いの場面!
病が流行ったり、戦が始まったり、あるいは天皇の即位・葬儀などの国家イベントの時、陰陽師は災厄を祓い、場を浄める儀式を担当しました。
使われたのは、神道的な祓詞(はらえことば)や、陰陽道の呪符・結界・呪文など。ここで登場するのが有名な九字護身法や式神ですね!
つまり…陰陽師は占い師であり、科学者であり、祭祀者でもあったというわけです。
五行要約