

家の顔とも言えるのが「玄関」です。
外の世界と内の世界をつなぐ大切な場所であり、風水ではここが「気の入口」だと考えられています。
つまり、玄関の位置や方角、そして日々の整え方次第で、家全体の運気が変わってくるというわけです。
古くから陰陽道や陰陽五行説の思想でも、「玄関」は“氣”の流れを調える最初の関門とされ、風水的におすすめな「玄関の場所・方角」は、東・東南・南の三方向と伝えられてきました。
そして陰陽師たちは、この入口の氣を読み取り、家の安寧を保つ工夫をしてきたのです。
今回はその「玄関の方角と運気の関係」を、風水の視点からわかりやすくかみ砕いて解説します。
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まず押さえておきたいのが、玄関の方角と呼び込む運気の関係です。
東の玄関は朝日を取り込みやすく、「成長」「発展」の氣が強いとされます。朝の光が差し込む空間は家全体を明るくしてくれるんです。
東南の玄関は人間関係や縁の運気を高める方角。柔らかい光と風を取り込み、家庭内の空気をやわらかく整える力を持ちます。
南の玄関は陽の氣が豊富で、人気運や社交運に関係します。明るい性格の家をつくるにはピッタリの方位ですね。
例えば、次のように、方角ごとに色やアイテムを合わせるとより効果的です。
──こんな具合に、玄関の方角に合わせて色や素材を選ぶだけで、氣の流れがグッと整います。
方角と色は「氣の相性」を映す鏡のようなもの。それを知ることが、風水玄関の第一歩です。
理想の方角を選ぶのが難しくても、環境を整えるだけで運気は十分アップします。
玄関は暗くなりがちな場所。日光が入らない玄関は「陰の氣」がこもりやすいため、明るい照明や鏡で氣を反射させましょう。
埃や靴の乱れは運気を停滞させます。毎日少し掃除するだけで、氣の循環がスムーズになります。
香りは氣をリセットする力があります。柑橘系やお香など、自然な香りを漂わせると玄関の空気が生まれ変わりますよ。
──つまり、方角よりも「清潔・明るさ・通気性」を保つことが、風水の基本中の基本なのです。
どの方角にも個性がありますが、風水的に注意が必要な方位もあります。
鬼門に玄関があると、家庭運や健康運が乱れやすいとされます。ただし、白や明るい色のタイル・観葉植物などで氣を整えることで、十分に対策可能です。
この方角は「土の氣」を持つため、重く停滞しがちです。オレンジ・ベージュ・茶系の小物で氣を温め、明るい照明を取り入れると良いでしょう。
冷えやすく陰の氣が強まる傾向があります。暖色系の照明や温かみのある素材を使えば、落ち着いた雰囲気に変えられます。
──こうして見てみると、凶方位も工夫次第で吉方位へと変えられるのが風水の面白さですね。
陰陽五行の観点から見ると、玄関は「木」と「土」の氣を交わらせる場。木は外の氣を受け入れ、土はその氣を安定させる役割を持ちます。
家の運気を整えるには、この二つの氣をバランス良くすることが大切です。例えば次のように、五行のエネルギーを意識してアイテムを選ぶと効果的です。
──この五行が調和している玄関は、入るだけで「気持ちがいい」と感じる空間になるのです。
古代中国では、玄関や門を守る神「門神(もんしん)」が信仰されていました。
門神は、家の中に邪気が入らないよう守る存在で、まさに玄関の氣の番人です。
例えば、秦叔宝(しんしゅくほう)と尉遅敬徳(うつちけいとく)という将軍の神像を門に貼る風習がありました。これは、外の邪氣を払い、家に平安をもたらす象徴だったのです。
現代の玄関も、この“門神”の思想を引き継いでいるといえるでしょう。
つまり、清潔で明るい玄関を保つこと自体が、神話的に見れば「守り神を招く行為」なのです。
五行要約
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