陰陽道における月食の意味|日本神話との関係も?

陰陽道(おんみょうどう)では、空の異変は単なる自然現象では終わりません。とくに月食――あれは「天が乱れてるぞ!」というサインとされてたんです。

 

え、月が欠けるだけでそんな大騒ぎ?って思うかもしれませんが、当時の人々にとって天体の乱れ=地上の乱れ。そのまま放っておくわけにはいかなかったんですね。

 

ということでこのページでは、「陰陽道における月食の意味」と、それがどう祓われ、どう信じられていたかをくわしく解説していきます!

 

 

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月食は「天文異変」という重大な凶兆

陰陽道では、日食や月食は天変(てんぺん)と呼ばれ、国家や天皇にとってとても重要な凶兆とみなされていました。

 

なぜかというと――

 

  • 太陽=陽、月=陰という宇宙の調和バランスが崩れる
  • 特に月が欠ける=陰の力が乱れると考えられた
  • 災害・疫病・政変の予兆と見なされた

 

つまり月食は、天と地の関係がズレてるぞという警告だったわけです。

 

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月食は朝廷行事にも影響した

実際に、平安時代の朝廷では月食の日時を事前に計算し、対応を準備していました。たとえば――

 

  • 月食の夜は出仕を避ける
  • 御所を蓆(むしろ)で覆って光を遮る
  • 僧侶の読経や陰陽師の祈祷を実施

 

特に有名なのが一字金輪法(いちじきんりんほう)などの密教的な儀式や、安倍晴明らによる天文密奏(てんもんみっそう)。月食の解釈と対策を、陰陽師が朝廷に密かに報告するという重要な任務だったんです。

 

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月食は「陰陽転化の乱れ」でもあった

もっと深い意味では、月食は陰陽が入れ替わるときのリズムが乱れている瞬間とされました。

 

このバランスが崩れると、

 

  • 疫病が広まる
  • 政変が起こる
  • 災害がやってくる

 

などの不吉な出来事の引き金になると恐れられていたんです。

 

だからこそ、月食のあとには除災の儀式改元が行われることもあったんですよ。

 

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「天狗が月を食う」民間伝承も

日本神話には月食を直接語るエピソードはあまり見られませんが、中国や朝鮮を経由して入ってきた伝説にこんな話があります。

 

  • 天狗が月をかじる
  • 巨大な蟾蜍(がま)が月を食べる

 

こういった話は、庶民の間で月食を怪異としてとらえるベースになっていきます。ちょっと怖いけど、自然の不可思議さを伝える語り口でもありますよね。

 

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現代における陰陽道的な月食の見方

現代では科学的に「月が地球の影に入るだけ」って説明される月食。でも、陰陽道の視点をもつ人たちは今でもこう考えています。

 

  • 月食は天と人とのリズムのズレを教えてくれる
  • 一人ひとりが内なる陰陽バランスを見直すきっかけになる
  • 古代の祈祷や暦の知恵を学ぶことで、自分の運気の波を読む手がかりになる

 

つまり、月食はただの現象じゃない。それは、宇宙からのメッセージとも言えるんです。

 

五行要約

 
  1. 月食天文異変として陰陽道では重大な凶兆とされた!
  2. 平安時代の朝廷では、月食に合わせた祈祷と防衛策が行われていた!
  3. 陰陽バランスが乱れる時点とされ、政変や災害の予兆と考えられた!
  4. 天狗や蟾蜍が月を食うという民間信仰も、月食の不吉さを強調!
  5. 今でも月食は宇宙との調和を見直すチャンスとして受け継がれている!