
陰陽道(おんみょうどう)では、空の異変は単なる自然現象では終わりません。とくに月食――あれは「天が乱れてるぞ!」というサインとされてたんです。
え、月が欠けるだけでそんな大騒ぎ?って思うかもしれませんが、当時の人々にとって天体の乱れ=地上の乱れ。そのまま放っておくわけにはいかなかったんですね。
ということでこのページでは、「陰陽道における月食の意味」と、それがどう祓われ、どう信じられていたかをくわしく解説していきます!
陰陽道では、日食や月食は天変(てんぺん)と呼ばれ、国家や天皇にとってとても重要な凶兆とみなされていました。
なぜかというと――
つまり月食は、天と地の関係がズレてるぞという警告だったわけです。
実際に、平安時代の朝廷では月食の日時を事前に計算し、対応を準備していました。たとえば――
特に有名なのが一字金輪法(いちじきんりんほう)などの密教的な儀式や、安倍晴明らによる天文密奏(てんもんみっそう)。月食の解釈と対策を、陰陽師が朝廷に密かに報告するという重要な任務だったんです。
もっと深い意味では、月食は陰陽が入れ替わるときのリズムが乱れている瞬間とされました。
このバランスが崩れると、
などの不吉な出来事の引き金になると恐れられていたんです。
だからこそ、月食のあとには除災の儀式や改元が行われることもあったんですよ。
日本神話には月食を直接語るエピソードはあまり見られませんが、中国や朝鮮を経由して入ってきた伝説にこんな話があります。
こういった話は、庶民の間で月食を怪異としてとらえるベースになっていきます。ちょっと怖いけど、自然の不可思議さを伝える語り口でもありますよね。
現代では科学的に「月が地球の影に入るだけ」って説明される月食。でも、陰陽道の視点をもつ人たちは今でもこう考えています。
つまり、月食はただの現象じゃない。それは、宇宙からのメッセージとも言えるんです。
五行要約