十二天将「天空」の能力と司る方角

十二天将「天空」の能力と司る方角

「天空」は、霊的世界と天界の状況を見通す式神であり、陰陽師が上空の気流や雲霧を制して霊的障壁を統制する役割を担う。方角としては「北西」あるいは「上方・天界」に位置づけられ、地上の指標では捉えきれない領域を司るとされる。よって、天空を意識することで陰陽道における霊界との接点を探る鍵となるだろう。

虚空に潜む混沌の使者──欺瞞と揺らぎを司る「十二天将・天空(てんくう)」をわかりやすく解説!


天空」って聞くと、空を舞う雄大なイメージが浮かびますよね。でも実は、風水や占術の世界では、この名前にだまされちゃいけない!十二天将の中でも、ひときわクセが強くて、扱いの難しい“凶将”なんです。


その本質はズバリ、「空虚・欺瞞・混乱」。


目に見えない災いをもたらす、いわば“霧に包まれた謎の存在”。六壬神課や陰陽道では、この天空の動きが、占いの吉凶や運勢を大きく左右するって言われてるんですよ。


今回はそんな天空の正体に迫って、起源から象意、方位の意味まで、徹底的に解説していきます!



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天空と十二天将の概要

十二天将は、陰陽師たちが「六壬神課(りくじんしんか)」という占術で使っていた12体の神将たちのこと。仏教の「十二神将」とは別モノです。


この中で「天空」は、後半グループの「後六(こうろく)」に属する将軍。見た目こそ堂々とした名を冠してますが、じつは“凶将”のひとりで、不安定さや混沌、不信を象徴する存在なんです。


守るのは「北西」の方角。五行では「」、十二支は「戌(いぬ)」、十干は「戊(つちのえ)」、季節は「土用」に対応します。


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天空の起源と伝承

天空のルーツは、中国の古代占術である大六壬(だいりくじん)陰陽道にさかのぼります。
中国語の古典では「戌叫天空,乃無影無形之神」とされていて、影も形もない“虚の神”と説明されているんですよ。


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見えないものを操る「虚の神」

天空という存在は、形がなく、実体もなくて、ただ気配だけがふわっと残る──そんな“見えないものを司る存在”なんです。
だから昔から、詐欺・嘘・徒労感みたいな、目に見えないかたちでじわじわ効いてくるモノの象徴として扱われてきました。


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晴明の式神としての天空

実はこの天空、安倍晴明が使役した式神のひとつとも言われてるんです。
その役割はというと、敵に幻を見せたり、情報をかき乱したりする“情報戦の使い手”みたいな立ち位置。
実体を持たないぶん、心理や空気を揺さぶるような存在だったと考えられています。


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大六壬での天空──「虚詐・幻影・無形」

大六壬の占術では、天空は空亡の神として現れ、「虚詐・幻影・無形」を象徴する存在とされていました。
つまり、「結果が出ない」「約束が形にならない」「計画がうまくいかない」といった状況の裏に、天空の気があると見なされたんです。


現代的に言えば、フェイクニュースやあやふやな契約、不確かな人間関係──そういった“実体のない不安定さ”に関わる存在といえます。


天空は、目に見えない力に注意を促す警告のシンボルで、「うわべの言葉にだまされないでね」って教えてくれているような存在なんですね。


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天空が司る能力や事象

天空が象徴するのは、「見えないものの影響力」。 具体的には、次のような象意がよく挙げられます。


天空にまつわる主な象意
  • 虚無・詐欺・欺殆(ぎたい): 真実がつかみにくく、信頼関係が揺らぎやすい。
  • 霧・砂嵐・風: 視界を覆い、方向感覚や判断力をにぶらせる。
  • 消耗・徒労: 頑張っても空振り、やったことが実を結ばない。
  • 感情面では空虚・虚情: 心の奥が見えなくなり、人間関係がふわふわしがち。


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破壊よりも“かく乱”に特化した存在

天空は、正面から力で相手を打ちのめすタイプではありません。
どちらかといえば、相手の思考や信頼感をじわじわと削っていく──そんな“かく乱・撹乱タイプ”の神将です。
ゲーム風に言えば、直接攻撃よりも「状態異常」や「バフ解除」が得意なキャラ、みたいなポジションですね。


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「無形の神」としての天空

古代の占術書『大六壬』では、天空は「虚詐の神」や「無形の神」として登場しています。
つまり、何をやっても形にならない、成果が空回りする──そんな状況の背景に、天空の気配があるとされてきたんです。
天空の力は、物事の実体をぼやかし、「本物」と「偽物」の境界線をあいまいにするとも言われています。


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天空が司る方角

六壬式盤(十二天将を配する式占の盤)

六壬式盤(十二天将を配する式占の盤)
六壬神課で用いる式盤で、天乙貴人・螣蛇・朱雀・六合・勾陳・青龍・玄武・太常・白虎・太陰・天后・天空の配置と運行を見て占う。

出典:『Chokuban』-Photo by Wikiwikiyarou/Wikimedia Commons CC BY-SA 3.0


天空が司るのは北西の方角です。
六壬式盤では、この北西に天空が現れる日には、ちょっとピリッと気をつけたほうがいいと言われています。


なんでかというと、天空は“空亡”の象徴なんですね。
六壬の考え方では、「空亡がつくと物事がうまくいかない」ってされていて、計画が空回りしたり、せっかくの努力が実らなかったりするんです。


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天空が北西にある日のNG行動

特に、天空が北西にいる日に避けたほうがいいとされるのがこちら:


  • 北西方向への旅行・引越し
  • 建築・リフォーム・契約ごと
  • 就職・結婚など大事な人間関係の決定


こういうのを「犯凶(はんきょう)」って言って、凶神のいる方角を動かすと運気が乱れるという、昔ながらの考え方に基づいているんです。


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五行と十二支から見る天空の性質

天空は五行でいう「土」に属していて、十二支では「戌(いぬ)」に対応しています。
だから土用や季節の変わり目──つまり環境や気の流れが揺れやすいタイミングに影響を及ぼしやすいんです。


しかも、北西ってもともと父性とか権威を象徴する方角でもあるので、ここに天空の“空っぽ”な気が乗ると、判断がぶれたり、信頼関係にヒビが入ったりしやすくなるんですね。


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天空の気を整える風水術

じゃあ、どうすれば天空の影響をやわらげられるの?って話ですが、北西の環境を整えることがカギになります。


たとえば:


  • 北西の部屋の不要な物を片づける
  • 空気がよどまないように換気をしっかり
  • 照明を暖色系にして落ち着いた雰囲気に
  • 土の気を安定させるために、ベージュやブラウンなどの“土色”を取り入れる


こうした工夫をすることで、天空の「虚」のエネルギーを、しっかりと「安定」に変えていくことができるんです。


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天空から紐解く陰陽五行説

天空は、戌(いぬ)の位置にいて、十干では戊(つちのえ)、そして五行では「土」に分類される存在です。
でもここで注意したいのが──この“土”って、安定した土じゃないんです。


普通、五行における「土」っていうのは中心・安定・調和の象徴です。
でも天空が持つのは、季節の変わり目にあたる「土用」のグラグラした土
つまり、足元がぬかるむような、地盤が揺れるような不安定さなんですね。


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“虚”の土が引き起こすゆらぎ

天空の持つこの“虚の土”は、物事の基盤をじんわりと揺るがせて、形が定まらない状態を引き起こします。
目に見えるトラブルじゃなくても、違和感や迷いといった形で表れることが多いんです。


そしてこの不安定な土が動き出すと、五行の流れ──木→火→土→金→水という循環のバランスも崩れやすくなってしまうんですね。
土が乱れれば、その前後にある木や金にも影響が出て、全体の調和がうまく回らなくなる……まさに連鎖反応です。


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天空の時期に意識したい“地に足つける姿勢”

だから天空が影響している時期や方角では、即決や即行動よりも、「一歩止まって見極める」ことが大事になります。
契約ごと、人との信頼関係、長期的な判断──そういったテーマでは、焦らずに土台を整えることが運気の安定につながるんです。


“虚の土”を制する方法は、派手なアクションじゃありません。 現実を丁寧に見ること、足元を固めること──それこそが、天空のゆらぎと上手につきあうための鍵なんですね。


五行要約

 
  1. 天空は北西を守る土の凶将で、「混沌と不信」の象徴!
  2. 霧や砂嵐を操り、敵を惑わせる撹乱系の神将として活躍!
  3. 北西方位に天空がある日は凶日とされ、移動や契約はNG!
  4. 安倍晴明の式神として、防御や障害除去に活用された記録も!
  5. 現代では風と土属性のトリッキーキャラとして再構築されてる!