
安倍晴明の名は、平安の都を離れて東北の地にも届いていました。福島県には、彼が奥羽を巡ったという伝承がいくつも残されており、火難除け、祟り封じ、地相調整など、晴明ならではの呪術的な働きが語られています。
このページでは、福島に伝わる安倍晴明の神秘的な足跡を、スポットごとにわかりやすくかみ砕いて紹介します。
福島市の宮町にある福島稲荷神社は、なんと安倍晴明自身が創建したと伝えられています。
永延元年(987年)、晴明が奥羽下向の途中、当地の風水と地相を見て豊受比売命を勧請し、社を建てたとされるんです。
境内には五芒星の印が刻まれた場所や、白狐像もあり、母・葛の葉との伝説と絡めて語られることもあります。まさに“呪術×信仰”の融合空間!
もう一つの重要拠点が杉妻町の杉妻稲荷神社。ここでは神亀年間、地元で起きた大杉の祟りを鎮めるため、安倍晴明と蘆屋道満が派遣されたという伝承があります。
二人は祈祷を行い、杉の精霊を封印したとされ、その地には「晴明塚」「道満塚」が祀られていたそう。まるで呪術対決の舞台が福島にもあったような話ですね!
福島市の笹木野には、巨大な霊樹王老杉(おうろうすぎ)の霊を晴明が封じたという話も残っています。江戸末期の地誌『信達一統志』にも記載があり、晴明と道満が共に祈祷して霊木の怒りを鎮めたとされるんです。
こうした伝承は、自然の中に“霊的存在”を感じ取る感性と、呪術的技法を組み合わせた、まさに晴明らしい物語ですよね。
福島県内には、晴明が火難除けとして松を植え、のちに小社山神社が祀られたという口碑も残っています。
彼が天文と風水の知識を活かして「この地には火の災いが起きやすい」と見抜き、対処のために植樹と祈祷を行ったというストーリーは、まさに地術の使い手としての晴明像を際立たせています。
福島の各地に点在するこれらの伝承は、単なる昔話ではなく、自然信仰や土地の霊を敬う感覚と深くつながっています。
神社の建立、塚の祀り、霊木との対話……どれも晴明が祈りと術によって人々の暮らしを支えた証として、大切に語り継がれているんですね。
五行要約