
火(ひ)って聞くと、あったかいとか、燃えるとか、ちょっと怖いイメージもあるかもしれません。でも陰陽道(おんみょうどう)の世界では、火はただの炎じゃなくて、陽気のエネルギーそのものなんです。
夏の日差しや情熱的な心、礼儀の正しさまで――「火」は、命の明るさや人間の心の輝きを象徴する存在だったんですよ!
陰陽の考えでは、世界のすべてを陰と陽に分けて考えますが、火は陽の極み!昼・夏・明るさ・熱といった性質をすべて持っています。
方位は南、季節は夏、色は赤。どれも元気いっぱいなイメージですよね。火はその象徴として、「活力」や「熱意」「礼」の徳といった、前向きな気の働きを表します。
陰陽道のもう一つの柱が五行思想。火はその中の火行(かこう)にあたります。
つまり、火はつながりの中で他の要素に影響を与えつつ、調和を保っているってことなんです。
漢方や占い(四柱推命)では、火=「心」や「血流」「感情」に対応します。
たとえば火の気が強い人は、情熱的で明るく、礼儀を大切にする傾向があるとされます。でも、火が強すぎると怒りっぽくなったり、逆に火が弱いと元気がなくなったりするんですね。
心のバランスと火のエネルギーって、実はすごく深く関わっていたんです。
儀式やお祓いの場面でも、火のエネルギーは超重要!
陰陽師たちは、火の属性を持つ朱色の護符や、火を使った結界・祈祷を活用していました。とくに南向きの設計や赤い装飾は「火の気」を強めて、悪いものを寄せつけないって意味があるんです。
また、朱雀という南を司る神獣も火と関わっていて、神聖な存在として多くの場で祭られています。
現代でも、「赤は勝負色」「夏は元気が出る季節」って言われるの、じつは火=陽気って考えが根底にあるんです。
太陽が照りつける昼間、南に向いた窓から差し込む日差し、神社の赤い鳥居――火の気は今も私たちの暮らしの中にしっかり残っているんですよ。
五行要約