


十二天将のなかでも、ひときわ静かでミステリアスな雰囲気をまとっているのが玄武(げんぶ)。
その姿は亀と蛇が絡み合った霊獣として表現され、古代中国の四神のひとつとしても有名です。でも、ただの「北の守り神」だと思っていたら大間違い!盗難や失踪、水害などの「見えない災い」と深く関係していて、ときに式神として強力な防御の壁にもなる存在なんですよ。
このページではそんな玄武の司る方角や能力について、わかりやすくかみ砕いて解説します。
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玄武は十二天将の「後三」に位置し、五行では水、十干は壬(みずのえ)、十二支は子に対応、季節は冬。この「陰の極み」の象意を体現する存在です。
守護する方角は北。古来、北は防御・秘匿・忍耐の象徴であり、玄武も守り・隠し・潜む力に秀でた神将とされています。

玄武
亀と蛇が一体となった北方の守護像で、冬・水・守護を象徴
出典:『Painting of Black Tortoise at National Museum of Korea』-Photo by Tristan Surtel/Wikimedia Commons CC BY-SA 4.0
玄武はもともと四神の一柱で、北方七宿(斗・牛・女・虚・危・室・壁)を統括する神霊。図像では亀と蛇が絡んだ神獣として描かれ、「不死・長寿・守護」を意味していました。
一方、六壬神課の体系では「後三」に配される天将として、「亡遺(なくしもの)・盗賊・隠匿」などの災厄や、陰謀・失踪などのトラブルを象徴する凶将ともされます。
また道教では真武大帝として神格化され、軍神・水神として戦・水難・邪気祓いに信仰されるなど、二面性を持った存在なのです。
玄武の象意は、いわば「目に見えにくい災厄と防御」のスペシャリスト。具体的には──
そのため、占術や風水では「玄武が現れる=何かが隠れている」と読み解くことも。凶象の可能性がある一方、式神として召喚すれば、結界・防御・隠蔽保護の力を発揮する心強い存在です。
風水や六壬式盤において玄武が配置される方角は北。この方角は、風水的には「水の気」が集まる場所であり、静かにして動かずが吉とされるゾーンです。
ただし、玄武が活性化するタイミングでは──
など、“控えめに過ごすべき日”として警戒されます。
逆に、北を整え、玄武の力を抑えることで隠れた災いを未然に防ぐという使い方もあります。
玄武は五行では「水」に属し、陰陽では陰中の陰とされます。水は柔らかくも流れがあり、また深く暗い性質を持つため、玄武の象意である「潜む・隠れる」と密接に関係しています。
また、冬の静寂の中で生命力を内に秘める力があるともされ、「外敵から身を守る」「気配を断つ」など、防御と養生において最適な神将と言えるでしょう。
五行要約
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