
陰陽師(おんみょうじ)と祈祷師(きとうし)。どちらも「祈る・呪う・願う」などのイメージが強く、なんとなく同じような存在に見えるかもしれません。でも実は、立場も役割もルーツも全然ちがうんですよ。
このページでは、それぞれの特徴を比べながら、「どうちがって、どう共通しているのか?」をわかりやすくかみ砕いて解説します!
陰陽師は、奈良・平安時代の律令制のもと、陰陽寮という国の官庁に属していた正式な官人です。
彼らの専門は陰陽五行思想。それに基づいて、次のような業務を行っていました:
つまり、ただの祈祷だけじゃなく、学問・科学・祭祀・呪術が全部入りのハイブリッドな職業だったんですね。
対して祈祷師は、官職ではなく宗教的・民間的な存在です。
主に僧侶・神官・巫女・山伏といった、宗教や民間信仰に関わる人が祈祷師として活動してきました。特徴的なのは、こんな場面で登場すること:
彼らの祈祷は「個人ベース」の願いごとが多く、あくまで現場主義・実践型。民間のシャーマンや霊媒的な役割を果たしていたことも多かったんです。
陰陽師は、理論的な裏付けがある体系化された儀式を行うのが特徴です。たとえば:
一方で、祈祷師はもっと感覚的で直感的なアプローチが多いです:
学問的というよりは、神仏との“つながり”を大事にするタイプの術者ですね。
陰陽師は、公的には国家や貴族社会を対象にして、政治や制度・災厄の管理まで含んだ役割を担っていました。
祈祷師は、民間の人々に対して日々の不安・悩み・病気・縁結びなど、もっと身近で現実的なサポートを行っていたんです。
一番の共通点は、どちらも超自然的な力を扱う職業であるということ。
人々の悩み、病気、厄災、願い…そういった目に見えない問題に対して、祈りや儀式を通して対処するという意味では、陰陽師も祈祷師も同じ方向を向いていました。
五行要約