
「藁人形を打ちつけて呪う」なんて、ちょっと怖い話…でも、そこに登場する人形、あれがまさに形代(かたしろ)なんです。
でも形代って、ほんとは呪い専用じゃないんですよ。じつは昔から、穢れを祓うお清めの道具として神社でも大切にされてきたんです。自分の身代わりとなって悪い運気を引き受けてくれる、ある意味すごくありがたい存在。
このページでは、陰陽師が使う「形代」とは何か、どう使われ、どう処分されるのかをわかりやすくかみ砕いて解説していきます!
平安京出土の木製人形代
平安京右京地域から出土した形代とされる木製人形代。呪術や祈願の際、陰陽師が身代わりとして用いた可能性がある
出典:Photo by Saigen Jiro / Wikimedia Commons - Public domain
形代(かたしろ)とは、木・紙・藁・髪・土器などで人の形に作られた人形のこと。昔の人は「形を持つものには魂が宿る」と考えていたので、この人形を身代わりとして使ってきたんですね。
つまり、形代は「いい方向」にも「悪い方向」にも使える、ちょっと不思議な呪具なんです。
形代はよく「呪い」に使われるイメージがありますが、実は厄除けや回復祈願にも使われていました。
たとえば安倍晴明は、夫婦の不仲を形代で清めて和解させたという逸話もあります。まさに「呪術は使いよう」ってことですね。
安倍晴明
「形代?昔の話でしょ」と思った方、実は今でも神社で普通にやってます。
たとえば6月の大祓(おおはらえ)では、「人形祈祷(ひとがたきとう)」といって、自分の名前や年齢を書いた紙の形代を神社に納めます。
神主さんがその形代に祓いをかけてくれるので、一年の厄をスッキリ落とせるんですよ。ちなみに、小さい子の形代は親が代わりに書いてもOK。
形代って、使い終わった後が意外と大事なんです。適当に捨てるとバチが当たるなんて話もあるくらい。
よく使われる処分方法は次のとおりです。
ただし、どれも「神社に相談してから」が大前提!勝手にやっちゃうのは避けましょうね。
形代とはちょっと違いますが、長年手元にあった人形やぬいぐるみにも魂が宿ると考えられています。だから、手放すときは人形供養をするのがオススメ。
たかが人形、されど人形。形あるものには心が宿るという考え方、大切にしたいですね。
五行要約