

家の中で「水」を扱う場所、つまりキッチン・お風呂・トイレなどの“水回り”って、実は陰陽道の観点から見ると、家の運気を大きく左右する場所なんです。
日々の生活に欠かせないエリアだからこそ、そこに溜まる「氣(き)」の質を整えることがとっても大事。古代の陰陽師たちも、家の中の水の流れを読み解き、悪い氣を祓うことで健康や繁栄を保とうとしていました。
風水では、「水回りの方角」を整えることで、家庭運・健康運・金運を大きく変えることができると考えられています。
今回は陰陽五行説の理論を交えながら、「水回りの理想の場所・方角」について、わかりやすくかみ砕いて解説します。
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まず押さえておきたいのが、水回り全般の基本的な吉方位です。風水的に良いとされるのは「東」「南東」「北西」。これらの方角は、水の氣と調和しやすく、運気を穏やかに流してくれるんです。
逆に、「北東(鬼門)」「南西(裏鬼門)」は避けたい位置。ここにトイレや浴室を設けると、家全体に滞りが生じやすいとされます。
例えば、次のような配置バランスが良いとされています。
──こんな具合に、吉方位を押さえるだけでも家全体の氣が整いやすくなります。
それぞれの水回りには、理想とされる方角と配置のコツがあります。代表的な三つを見ていきましょう。
キッチンは「火」と「水」が交わる場所。東または北西が理想で、換気と採光がポイントです。東は太陽の氣を取り込みやすく、健康運を支える一方、北西は金運と家庭運を安定させる方位です。
浴室は体を清める場所。東・南東・北西が吉方位で、木と水の氣が調和するエリアです。逆に南は「火の氣」との相剋が起こりやすいので避けたいところ。
トイレは「陰の氣」が溜まりやすい場所。どの方角にあっても清潔・整理・換気が最重要。北や北東にある場合は、明るめの照明や暖色のインテリアで補うと良いでしょう。
水回りは“方角だけ”ではなく、明るさと清潔さで運気が決まる場所なのです。
水回りの氣を整えるには、方角とあわせて素材や色使いを意識するとさらに効果的です。
北の水回りには「暖色系(オレンジやピンク)」を。東の水回りには「木の氣を補うグリーン系」を取り入れると調和しやすくなります。
木材・竹・陶器など自然素材を使うと、水の冷たさを和らげ、氣の巡りを穏やかにしてくれます。
角の少ない丸みを帯びたインテリアは、氣の流れをスムーズに保つ効果があるとされます。洗面器や鏡なども、できれば円形がおすすめです。
──こうした工夫で、「水の氣」を優しく動かし、家全体のエネルギーバランスを安定させられます。
「陰陽五行説」の視点から見ると、水回りは“水の氣”を司る場所です。ここが乱れると、他の要素にも影響が出やすくなります。五行の循環で見てみましょう。
──五行の力をバランスよく取り入れることで、水回りが「氣の源」として機能し、運気全体がスムーズに流れるようになります。
中国神話では、水は生命の根源であり、同時に秩序をもたらす力でもありました。
例えば、洪水を治めた禹(う)の神話では、水の流れを制御することで国を平和に導いたとされます。これはまさに、水回りを整えることで家庭に安定をもたらすという風水の考えそのものなんです。
水の流れを制す者は、家の運を制す。
そんな古代からの知恵が、現代の住まいづくりにも息づいています。
五行要約
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