
陰陽師(おんみょうじ)と卑弥呼(ひみこ)。どちらも“霊的な力”を使って人々を導いた存在として知られていますが、その成り立ちや働き方には大きな違いがあります。
このページでは、このふたりの違いと共通点を整理しながら、「どちらも霊能者だけど、どう違ったのか?」をわかりやすくかみ砕いて解説していきます!
陰陽師は、律令制下の陰陽寮に所属していた国家公務員。天文観測・暦の作成・占術・祈祷・式神使役・呪術といった陰陽五行思想に基づいた多彩な儀礼技術を扱い、国家や貴族に仕えていました。
卑弥呼は、3世紀の邪馬台国で王として君臨した人物。神や霊と通じるシャーマン的巫女として「鬼道(きどう)」を用い、政治的な支配力を持っていました。魏志倭人伝では、卑弥呼が神託をもとに国を治めていたと記録されています。
つまり、陰陽師は制度のなかで祈る職業であり、卑弥呼は祈りそのもので国を動かす存在だったんですね。
陰陽師が使ったのは、体系化された陰陽五行・十干十二支・天文暦術です。
一方卑弥呼の「鬼道」は、神託を得るための霊媒儀礼で、神と交信して政治判断を下すというカリスマ的シャーマニズムでした。
陰陽師は専門知識と訓練で力を行使し、卑弥呼は霊性と信仰で人心を掌握したという違いがあるんです。
陰陽師は、律令体制の一部として公的儀式・国家祭祀を担い、専門教育と世襲によって継承されていきました。
卑弥呼は、国家制度というよりは霊力と政治を一身に担う人物で、組織よりもカリスマと信仰で統治していました。しかも女性が王であるという点も、当時としては非常に異例です。
ふたりには、次のような共通点があります。
また、陰陽師には性別は明記されていないものの、霊媒・感受的要素においては女性的側面が強調されることもあり、卑弥呼と似た構造を持つという見方もあります。
まとめると、
神秘の力を使う点は似ていても、王か、官かという立場の違いが、その役割や影響のスケールを大きく分けたんですね。
五行要約