安倍晴明の占術の凄さ

安倍晴明は、式神と呼ばれる霊的存在を陰陽師として使役したと伝えられている。代表的な式神には「十二天将」が挙げられ、式神は晴明の式盤や結界儀式に宿る神霊とされていた。こうして式神を駆使することで、晴明は霊的監視や祓いを行ったといえる。

安倍晴明は、呪術の実態として「祓え」や「呪い返し」などをおこなった陰陽師である。彼は呪詛をかけた張本人を割り出し、逆にその術を跳ね返すことも可能としていた。こうした術的活動が、平安時代の陰陽師としての鮮烈な役割を示していたといえる。

安倍晴明は、宮廷内に仕掛けられた呪詛を察知し、敵の術を己に跳ね返したとされる逸話が残る。特に伝承では、ライバル陰陽師が貴族に呪いをかけた際、晴明が霊力と呪符を以てその術を反転させ、呪者を追放させたという。こうした話は、陰陽道における術の作用を象徴するものだといえる。

安倍晴明は都や邸宅に霊的な壁を設ける「結界術」を自在に扱った陰陽師だ。祓いや禍の侵入を食い止めるために、彼は式盤や五行・干支・星宿の知識を結びつけ、目に見えぬ防護線を構築した。そうした術の巧みさが、当時の社会における陰陽道の有効性を高めたといえる。

「蘇生術」の逸話としては、実証的な平安時代の記録よりも伝説の域にある。伝承では、陰陽師である安倍晴明が死または死に近い状態から生命を取り戻したり、他者を生き返らせたりしたという物語が語られている。これらの話は歴史的な裏付けが乏しいので、あくまで陰陽道における神秘的な象徴として捉えるべきである。

安倍晴明は、妖怪や悪霊を封じたり浄化したりする「退魔」の力に優れた陰陽師だ。式神や結界、呪法を駆使して祓いや護衛を行い、都や邸宅を霊的な障害から守った。こうした退魔の術が彼を平安期において際立つ存在へと押し上げたといえる。

五芒星は、陰陽師である安倍晴明が祈祷や魔除けの符として用いた印章である。木・火・土・金・水という五行の「相克」の原理を一筆書きの星型で示し、あらゆる邪気を封じ込める防護の役割を担った。こうした五芒星の使用は、陰陽道における晴明の術的影響力を象徴しているといえる。