陰陽道「六曜」の起源と歴史|意味ないと言われる理由

大安、仏滅、友引…みんな一度は耳にしたことがある六曜(ろくよう)。カレンダーの欄外に書いてあるアレですね。「仏滅は縁起悪い」とか「友引はお葬式NG」とか、結婚式やお葬式で気にされることも多いんですが、実はこの六曜…陰陽道とは関係が薄いってご存じでしたか?

 

このページでは、この六曜のルーツをたどりながら、「なぜ“意味がない”と言われるのか」まで、わかりやすくかみ砕いて解説していきます。

 

 

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起源は中国の古代占術「六壬」

六曜のルーツは中国の古代占術「六壬(りくじん)」「六壬時課」という占いにあります。これは日や時間の吉凶を占う方法で、諸葛亮や唐代の李淳風が関与したともいわれていますが、正確な由来は不明なんです。

 

この時点で、六曜は陰陽五行陰陽道の正式な占術ではなかったというのがポイント。中国では天文占星術が主流だったので、六曜はあくまで民間占術の一つにすぎなかったんですね。

 

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日本には中世以降に伝来

六曜が日本に入ってきたのは、鎌倉〜室町時代ごろ。最初は朝廷の暦にすら載っていなかったのですが、江戸時代になると、幕府が他の暦注(占い的要素)を禁止した影響で、六曜だけが民間にじわじわ広まっていきます。

 

明治になると、政府は「吉凶付き暦注は迷信」として全面的に規制しましたが、六曜だけは除外されたんです。戦後になるとカレンダーに再登場し、現在に至ります。

 

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陰陽道とは“直接関係なし”

ここが大事なポイント!

 

六曜は、日本古来の陰陽道の暦法(陰陽寮が管理していた太陰太陽暦や吉日占い)とは別系統のものなんです。陰陽寮の占星術六壬式盤といった専門的な術とは違って、六曜は「1日ごとに順番で回す」だけの単純ルール。

 

たとえば:

 

  • 旧暦の朔日を基準に、「先勝→友引→先負→仏滅→大安→赤口」の順でローテーション
  • 吉凶の根拠はなく、地域や家ごとの口伝や解釈に頼っていた

 

つまり、本格的な暦占いではないんですね。

 

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なぜ「意味がない」と言われるのか

現代で六曜が「意味ない」と言われがちな理由は以下の通りです。

 

  • 旧暦ベースなので、現在のカレンダー(新暦)とズレがある
  • 科学的根拠や体系的文献が存在しない
  • 「仏滅」など名前の印象だけで不吉だとされる(仏教とは無関係)
  • 冠婚葬祭や商取引で使われることで、迷信的な差別・不公平の原因になりうる

 

たとえば、「赤口に結婚式はダメ」とか「仏滅だとキャンセル料が安くなる」みたいな風潮も、根拠というより慣習とイメージによるものなんですね。

 

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でも文化としては今も息づいている

とはいえ、六曜には文化的・社会的な役割もあるんです。

 

  • お日柄の良い日に儀式をするという“体裁”を整える
  • 親族や地域社会の意向を尊重する場面で役立つ
  • 冠婚葬祭のスケジュール調整で安心感を与える

 

つまり、六曜は信じるか信じないか、というより「付き合いの知恵」なんですね。

 

五行要約

 
  1. 六曜は中国の民間占術「六壬」がルーツ!
  2. 日本には中世〜江戸期にかけて広まり、陰陽道とは別物
  3. 根拠に乏しく、単なる日替わりの吉凶表示にすぎない!
  4. 仏教とも無関係なのに誤解されがち!
  5. ただし文化としては現代にも根強く残っている