
陰陽師(おんみょうじ)といえば、式神や護符のイメージが強いですが――実は“詠唱(えいしょう)”こそが陰陽術の根幹なんです。
というわけで、ここでは詠唱について詳しく紹介します。
同時に「詠唱」って呪文と何が違うの?言葉を唱えるだけなら同じじゃない?って感じる人もいると思いますので、このページでは、その「詠唱」と「呪文」のニュアンスの違いも含めて掘り下げていきますね。
まず詠唱とは何か?ざっくり言うと――
術の内容を“声に乗せて唱える”行為そのものです。
たとえば、祝詞(のりと)や真言、呪文、マントラ…なんでもOK。
それを一定のリズムや声のトーンで唱えることで、気の流れや空間の波動を整えるのが詠唱の目的なんですね。
つまり、
という、“行動としての技術”なんです。
一方で呪文(じゅもん)とは――
特定の効果を持った言葉・文句のこと。
たとえば、
などがあります。呪文は唱えることで何かが起こる“トリガー”。
祝詞のような長文もあれば、短い一言の真言もあります。だから呪文は、「中身」「意味」「効果」ありきの言葉なんです。
ここで混乱しやすいのが、「詠唱と呪文って結局どう違うの?」ってところ。
ズバリ言うと――
詠唱=演奏する行為/呪文=演奏される曲なんです!
たとえば、
つまり、呪文は詠唱によって初めて“力を持つ”んです。
陰陽道では、「言葉には霊力が宿る(言霊)」という思想が根底にあります。
ただ読むだけではなく、空間を震わせるように唱えることで、術者の気や念が周囲に広がっていきます。
だから詠唱には、
などの場を支配する力があるとされていたんですね。
つまり――
詠唱は、言霊によって術を発動させる“技”そのもの。
だから、詠唱には“声”だけじゃなく、
といった一連の儀礼的所作も含まれていることが多いんです。それこそが、陰陽師の詠唱がただの“読み上げ”じゃない証なんですね。
五行要約