
星って聞くと、今では「夜空のキラキラ」ってイメージが強いけど、陰陽道(おんみょうどう)の世界ではもっとずっと深い意味を持っていたんです。
それは、「宇宙の気配を読み取る手がかり」であり、「この世とあの世の橋渡し役」でもある神秘の存在――星は、陰陽五行と結びついた運命のナビゲーターのような存在だったんです!
陰陽道では、空にまたたく星は単なる天体じゃありません。天の意思や気(エネルギー)が宿っていて、人の運命や吉凶を教えてくれる存在とされてきました。
空の星の動き=この世の変化。だから陰陽師たちは天体観測を欠かさなかったし、「星がどう動くか」で暦をつくったり、儀式の日取りを決めたりしていたんです。
陰陽道では、太陽・月・金星・木星・水星・火星・土星の七つを七曜(しちよう)と呼び、それぞれが五行のどれかに対応します。
これらの星の動きを読み解いて、人の性格・運命・相性まで見抜く技術が、いわゆる陰陽道の占星術だったんですね。
陰陽道における星の象徴でとくに有名なのが、五芒星(ごぼうせい)。五角形の星形で、「セーマン」とも呼ばれます。
これ、ただのカッコいいマークじゃなくて、陰陽五行の「相克(そうこく)」の関係を一筆書きで表した図形なんです。つまり、火は金を溶かし、水は火を消す…みたいな「おさえ合い・調整し合う力のバランス」を、星形で見えるようにしたわけです。
そして、その代表格が安倍晴明の使った「晴明桔梗紋」。お守りや結界、術符として大活躍しました。
星のカタチって、実は魔除けの形でもあるんです。
五芒星は邪気や悪霊を退ける形とされ、陰陽師たちはその図形を紙に書いたり、木に刻んだりして、呪符(じゅふ)や結界に使っていました。
「星=術の媒介」なんですね。しかもこれは「形に意味がある」タイプの呪法で、五行の力を制御・均衡させて、バランスの乱れ=凶事を防ぐっていう、超実用的な考え方だったんです。
晴明神社の鳥居にある晴明紋を見たことありますか?あの星マーク、まさに陰陽道の宇宙観のシンボルです。
現代でもお守りや占いで五芒星が使われていたり、流星=凶兆という考えが神社の暦に反映されていたり、星=天の道理という発想はまだまだ生きてるんですよ。
五行要約