陰陽道における「手印」の意味と種類

手印(しゅいん)・・・つまり手で印を結ぶことを指しますが、陰陽道では呪術の核心といえます。手印は、ただの形ではなく、霊力を引き寄せたり制御したりするための“動作による術式”。陰陽師たちはこの「手のサイン」で、星神を呼び出したり、邪霊を封じたりしていたんですよ。

 

 

h3
九字護身法の九印

もっとも有名な手印といえばやっぱりコレ!「臨・兵・闘・者・皆・陣・列・在・前」という呪文に合わせて、九つの手印を順に結んでいきます。

 

  • 持鈷印(臨):霊力を集中させる
  • 大金剛輪印(兵):武の加護を呼ぶ
  • 外獅子印(闘)内獅子印(者):戦いや自制の象徴
  • 外縛印(皆)内縛印(陣):結界の縛りを形成
  • 智拳印(列):智慧と霊的判断力を得る
  • 日輪印(在):太陽の力を借りる
  • 宝瓶印(前):隠形、霊的遮断を象徴

 

この九印は密教の印契から来ていて、護身や破邪に使われる陰陽道の基本儀式です。

 

h3
五芒星と剣印の法

手印には「手で形を作る」以外に、「空間に印を切る」というタイプもあります。その代表が五芒星(晴明紋)四縦五横(切紙九字)です。

 

  • 五芒星印:五行の相克を表し、呪符・陣・結界に使用
  • 切紙九字:空中に格子状(#の形)を描いて邪気を断つ

 

とくに安倍晴明の印とされる晴明紋は、五芒星の最も有名な例。視覚的にも強い象徴力があるんですね。

 

h3
道教系の「手決」

中国の道教では指で神の名や性質を表現する「手決」という印が体系化されていて、日本の陰陽道にも大きな影響を与えました。

 

  • 王天君決:病気除けや邪祓いに効果
  • 陽雷決・陰雷決:雷神を呼び、自然を制御
  • 招星決:星霊(宿曜神)を召喚
  • 追魂決・驅病決:悪霊や病の霊を追い払う

 

目的別にいろんな神格を呼び出す決印があり、状況に応じて使い分けられていたんです。

 

h3
密教印契との融合

奈良〜平安時代の日本では、密教(真言宗・天台宗)が大流行。陰陽道の手印にもその印契(いんげい)がどんどん取り入れられていきました。

 

  • 智拳印:大日如来の智慧を象徴
  • 日輪印:太陽神の力を取り込む印
  • 金剛合掌・虚空蔵印:記憶力や学問の向上に使われた

 

密教の手印は、ただ形を作るだけじゃなく、そのまま神仏とつながる手段でもあったわけです。

 

h3
複合系・実践型の手印

陰陽道では「呪文+印+動作」をセットで使うことが多く、実践に即した結界・調伏系の複合印が多く残されています。

 

  • 剣印:指先で刀の形を作り、空中に斬る動作
  • 破邪印:魔を切り裂き、封印する印
  • 急急如律令印:即時で命令を発動させる短印
  • 修羅印・還虚印:高等な術法用の儀式印

 

これらは見た目も動きも「儀式らしさ」があって、まさに“陰陽師っぽさ”が際立つ部分です!

 

五行要約

 
  1. 手印は霊力を動かす「手の呪文」みたいな存在だった!
  2. 九字護身法では、9種類の印を順に結んで護身する!
  3. 五芒星印剣印で、空間に結界を張ることもできた!
  4. 道教の??では、神格ごとの指印で目的別に呪術を発動!
  5. 密教印契と融合して、印の種類はどんどん進化していった!