陰陽道（おんみょうどう）には、星の動きや霊的存在、土地のエネルギーまでを扱う多種多様な法（ほう）＝技法・呪法が存在します。陰陽師はそれらを状況に応じて使い分け、災いを避けたり、未来を見通したり、人々を守ったりしてきたんですよ。

 

このページではそんな陰陽道の法を５つのジャンルに分類して、体系的に紹介していきます！

 

 

占術・命術の法

まずは、星や暦を使って未来や運命を読み解く技法たち。国家レベルの祭祀から個人の吉凶判断まで幅広く活用されました。

 

• 暦法・天文占術：六壬式盤や渾天儀を使い、日取りや方位の吉凶を判断
• 宿曜・星辰法：九曜・北斗七星など星神の配置を見て命運を読む
• 泰山府君祭：命術の代表。寿命延長や運命改変の儀式
• 宿曜星降・九曜紋星彩：星神を招来しその力で加護を得る秘儀

 

占術は「読み」、命術は「変える」技術。両者を合わせて活用するのが陰陽道流です！

 

呪術・言霊の法

言葉や図像に力を宿し、相手に直接影響を与える「呪い」や「祈願」の系統です。派手さはないけど、かなり強力！

 

• 呪符・霊符術：九字格子や桔梗紋入りの札で守護・封印・結界を張る
• 言霊呪術：魂を込めた言葉で物事を動かす「言霊」の術
• 急急如律令：命令系の即効呪法。封じたり退けたりできる
• 九字護身法：「臨・兵・闘・者…」の九字で自らを守る基本結界

 

一見地味だけど、陰陽師が口にした瞬間、場の空気が変わる…そんな世界観を支える技法です。

 

召喚・式神の法

陰陽道といえばやっぱり式神。呼び出して使役するこの技は、伝承でも創作でも大人気の分野です！

 

• 式神使役術：霊的存在を符や呪文で呼び出し、護衛や調伏に利用
• 召喚・素材術：火・雷・水などを象徴する霊体を瞬時に召喚
• 太極陣・四神陣：式神を結界に配置して魔力ネットワークを構成
• 森羅万象・万物化生：あらゆる力を複合して発動する最上級召喚術

 

式神は単なる使い魔ではなく、「術者の分身」としての役割を果たすことも多いんです。

 

結界・方位の法

土地の気を整える、悪い方角を避ける…そんな風水的な発想に近い法術。じつは都市設計にも活用されてました。

 

• 結界・封気術：家屋・社寺・町ごとに邪気を防ぐ防衛フィールドを構築
• 方違・方除術：星神の巡行方位を読み取り、災厄を避ける移動計画
• 風水理気術：龍脈・四神配置など地形の気を活かした祈祷術
• 反閇（へんばい）呪法：土地や道を浄化する踏み歩きの術

 

この分野が一番「現実の生活」に直結していたかもしれません。陰陽道＝スピリチュアルではなく、実務の知恵でもあったんですね。

 

治癒・内丹の法

病気を癒す・精気を練る・命をつなぐ…という、ちょっと仙人っぽい技術群。道教や仏教の影響も色濃いです。

 

• 治癒・蘇生術：形代や秘符を使って病を祓い、命を繋ぐ
• 延命術：命運や寿命を延ばす儀式や祭祀
• 煉精化気：自らの精気を練り、霊的エネルギーに変換
• 煉神還虚：肉体を越えた「気」の存在に至る修行法

 

このジャンルは、武術や修行ともつながっていて、達人陰陽師たちはまるで「魔法僧侶」みたいだったのかも…？