

「悪い間取り」って、いったいどんな家のことだと思いますか?
実は陰陽道や陰陽五行説の考えでは、家そのものがひとつの生命体のように“氣”を巡らせていて、その流れを止めるような構造が「凶相」とされるんです。
家の中に不自然な欠けや歪みがあると、氣のバランスが崩れやすく、知らないうちに不調を呼び込みやすい形になってしまう。
つまり、「悪い間取り」は“氣の通り道を見失った家”なんです。
古くから陰陽師たちは、家の形や位置に潜む“氣の乱れ”を読み解き、儀式や配置換えで調和を取り戻してきました。
今回はそんな「悪い間取り」と、その補い方を風水的に見ていきましょう。
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風水や家相で“欠け”と呼ばれるのは、建物の一部がへこんでいる部分のこと。
たとえば、L字型やコの字型、三角形の敷地に建つ家は、この欠けが出やすい形です。
特に1階部分の欠けは影響が強いとされ、氣が地面に定着せずに安定しにくくなるんです。
さらに、欠ける方角によっても影響が異なります。
──このように欠けの位置が偏ると、氣の循環が滞ってしまいます。
また、家の中心(宅心)に窓のないトイレや浴室、収納がある場合も「暗がりが家の心にある」とされ、エネルギーの停滞を招く形とされています。
間取りの中には、特に氣が抜けやすい、あるいは乱れやすい形がいくつかあります。
風水的に避けたいポイントを挙げてみましょう。
玄関と裏口、勝手口が一直線に並んでいると、入った氣がそのまま抜けてしまう「氣抜けの間取り」になります。
また、玄関を2つ設けるのも「口が二つ」で争いや分離を生むとされます。
家の中央に階段があると、中心の氣が揺れやすくなります。
また、1階から2階まで一直線の“鉄砲階段”も、氣が急激に流れ出る形とされ、安定を欠く構造です。
キッチンや浴室、トイレなどの水回りを鬼門(北東)や裏鬼門(南西)に配置するのは避けるのが基本です。
特にキッチンを西や南西に置くと、夏の西日と火の氣が重なり、金運や食の氣を弱めてしまいます。
「氣の流れが早すぎる家」や「氣が溜まらない家」は、風水的に“落ち着かない家”なんです。
欠けた家だからといって、すぐに凶相になるわけではありません。
大切なのは“どう整えるか”ということ。風水では、氣の流れを補い、形を整える工夫がいくつもあります。
欠けた方角に生命力のある植物を置くと、氣が補われるとされます。
葉の形が丸みを帯びたグリーンが特におすすめ。
暗い空間は陰の氣を強めるので、照明を増やす・明るい色の壁紙を使うなどで陽の氣を呼び込みます。
建物の欠けた部分に収納や小部屋を設けて“内部から形を整える”のも有効です。
外構が欠けている場合は、花壇や塀、張り出しでバランスを取る方法もあります。
──欠けは“氣の呼吸のズレ”なので、自然の力を加えることで落ち着きを取り戻せるんです。
五行で見ると、家の各方角にはそれぞれ違う氣が宿っています。
欠けた方角の氣が弱まると、その要素に関する運気も低下します。
──このように、五行のエネルギーが偏ると家全体の氣が歪みやすくなります。
逆に言えば、五行のバランスを意識した補い方をすることで、家の氣は再び整うのです。
中国神話では、天地創造の女神・女娃(じょか)が天の穴を五色の石で補ったという伝説があります。
これは、壊れた秩序を五行の力で修復する象徴なんです。
家の欠けもそれと同じ。
欠けた部分に光や緑を添えることで、天地の氣が循環し、家そのものが再び整うのです。
つまり「欠け」は終わりではなく、“整える余地”を与えてくれるサインなんですね。
悪い間取りを避けることだけでなく、補いながら氣を育てる姿勢こそが、風水的な家づくりの本質です。
五行要約
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