
六芒星(ろくぼうせい)って聞くと、西洋のユダヤ教「ダビデの星」を思い浮かべる人もいるかもしれません。でも実は、日本の陰陽道(おんみょうどう)にも、古くからこの星形は登場していたんですよ。
しかも名前は「六芒星」じゃなくて、籠目紋(かごめもん)。竹籠の編み目にそっくりな形から来ているんですが、見た目以上に奥深い意味が込められていたんです。このページではその六芒星=籠目紋が陰陽道でどんなふうに使われていたのかを、わかりやすくひもといていきます!
六芒星は、正三角形を上下に重ねた六角形の星形。これを日本では古くから籠目紋(かごめもん)として認識してきました。
竹を編んで作られる籠の目――それがこの六芒星にそっくりだったため、古代の人々はこれに魔除けの意味を見出したんですね。縄文時代や古墳時代の遺跡にも、籠目文様の装飾が見られます。
この段階ではまだ陰陽道とは関係ない素朴な呪術的模様だったんですが、平安時代に入ると陰陽師たちがこの形に注目し、正式に陰陽道の世界観に取り込んでいきます。
陰陽道では、五芒星が五行の力をめぐらせる印とされるのに対し、六芒星=籠目紋は陰陽の統合・天地の調和を象徴する図形です。
上下の三角形は、
を意味しており、この2つが重なることで宇宙全体のバランスが保たれているという、まさに陰陽思想そのもののかたちになっているんですね。
「六芒星=調和と融合の象徴」という捉え方がされていたのはこのためです。
五芒星が「人を守る個人用のおまもり」だとしたら、六芒星は場を守るバリアとして使われていました。
寺社仏閣では、
などの聖地に六芒星=籠目紋が彫られていて、その場所全体を悪霊や邪気から守るための結界として機能していたとされています。
また、平安京の建設にあたっても都市全体の守護結界の一部として、六芒星の形が布陣されたという説もあるんです。これは大将軍八神社などの配置に現れていて、都市のバランスを陰陽道的に整えるための知恵だったと考えられています。
六芒星は、西洋では「ダビデの星」として有名ですよね。これはユダヤ教の象徴であり、魔術や錬金術でも「天と地の融合」「完全性」を表すとされました。
不思議なことに、東西まったく違う文化でも、同じ形が「調和」や「統合」の意味を持って使われているんです。これは、人類共通の感覚なのかもしれませんね。
ただし、日本の六芒星=籠目紋には、竹籠の構造的な意味もあるため、「実用品→呪具→護符」と進化していった側面もあります。
今でも六芒星は、
などに広く使われていて、その「場を守る」力はいまも信じられています。
また、五芒星とセットで「個人と空間」「内と外」を守るセット使いをする例もあります。五芒星=実動の呪術、六芒星=静的な結界っていう感じですね。
五行要約