

家に帰って最初に通る場所、そして出かける前に背中を押してくれる場所が玄関です。
風水では、この玄関こそが“気の入口”。外から入ってくる運気を受け止め、家の中へ送り出す要のスペースなんですね。
そして陰陽道や陰陽五行説の考え方でも、境目の場を整えることが大切だとされ、古い時代から陰陽師は出入口のしつらいに細心の注意を払ってきました。
結論として、風水的な「玄関の色」は、白やベージュを基調にして、方角に沿った差し色を控えめに添えるのが最適です。
ここからは、方角別のコツと実践の手順を、やさしくではなく、ぐっと具体的に深掘りしていきます。
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まずは大原則から。玄関の基調色は白やベージュ、クリームなどの明るい淡色が万能です。清潔感を保ちやすく、どの方角にも相性良し。
とはいえ、家それぞれに方角があり、その方角には五行の性質が宿ると考えます。だからこそ方角に合うアクセントを少量だけ足すのが、玄関を整える近道です。
例えば次の通り、方角を手がかりに色を決めると迷いません。
──こんな具合に、基調は白系、アクセントは方角の性質に合わせて最小限。これだけで玄関の気は軽やかに循環します。
ポイントは「白×淡色」で明るさを確保しつつ、方角色は“少量”にとどめることです。
色選びはベース→アクセント→素材の順に決めると失敗しません。結論から言うと、壁と天井は淡色で整え、床やドアで質感を合わせ、小物で方角色を差すのが王道です。例えば次の3つが実践の軸ですよ。
壁・天井は白やベージュの明るいマット系が基準。面積が広い場所は彩度を抑えると散らかって見えず、光もきれいに回ります。基調を一定にするほど小物の差し色が際立って運気の通り道がクリアになります。
方角色は1~2アイテムに限定。玄関マット、花器、アートフレーム、傘立てなどに少量。派手色の面積を広げないことが、入口の集中と抜けを両立するコツです。西ならやわらかな黄色、南なら落ち着いたグリーンなど、淡さを最優先にしましょう。
色が整っていても、素材が荒れていると気は乱れます。ドアの塗装や金物のくすみ、タイル目地の汚れは早めにリセット。木目は落ち着き、金属は清潔感、ガラスは軽さを演出。色と質感の調和で玄関全体の格が一段上がるのです。
色は目的ごとに“調律”できます。まず結論として、金運=黄色系、対人運=グリーン系、浄化・守り=白と透明感が基本線。その上で具体化するなら、次の3パターンが動かしやすいですよ。
西・北西・北にかけてはやわらかなイエローやベージュ+ゴールド小物を一点。マットの縁取りやドアノブの金物をきれいに磨くと金の気が活性化。黒の多用は控えて明度をキープしましょう。
東・南東ではライトグリーンをスワッグやグリーンの小物で少量。葉の形は丸みのあるものがベター。入口の視線上に一点だけ置くと気が集まり過ぎず会話運も自然に。
どの方角でも効くのが白とクリスタル感。ガラスのトレイや白い花、透明感のある照明カバーで浄化の通り道を確保。暗色の大面積は避け、夜は明るめの照度で陰の澱みを作らないのが鉄則です。
ここで「五行」の視点をもう一度。玄関は家全体の気配を受け止める場所。だから五行を偏らせず薄く満遍なく配すると安定します。例えば、次のような「五行」の配合が扱いやすいです。
──五行をこの順に“少しずつ”混ぜると、入口の場が安定し、家中の巡りがやわらかく統一されます。やり過ぎず、薄く効かせるのがコツですよ。
古い物語では、門は境界であり、神々が往来する通路でした。門神が左右に立ち、清らかな白や黄金のきらめきが邪を遠ざけ、家に福を招くと語られます。
この“門の守り”の発想は、現代の玄関にもそのまま活きます。つまり白で清め、金で引き締め、木の緑で息を通す。色は装飾ではなく、門に秩序を与える道具なのです。
白を基調に、方角色をほんの少し──門はそれだけで「迎える色」になります。
五行要約
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