

家の印象を決める「門」は、実は陰陽道や陰陽五行説の世界でも、とても重要な意味を持つ存在です。
外の世界と家の中をつなぐ“氣の入口”として、門の位置や形、向きによって運の流れそのものが変わるとされているんですよ。
風水的には、「門」は家の運気を左右する最初の関所と考えられています。
昔の陰陽師たちは、門の方角を見ただけでその家の盛衰を占ったとも言われています。
それほど「門」は氣の通り道に敏感なんです。
では、どんな方角に門を設けるのがいいのか、そしてどんな形や開き方が良いのか、じっくり見ていきましょう。
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まず基本となるのは、門の方角。風水では門を家の氣の入口と考えるため、向きによって家全体の運気が変わります。
特に東南(南東)は、活発で明るい「陽の氣」を取り込みやすく、発展や人間関係の運を上げる方角とされます。
この方角に門を設けると、新しい縁が広がりやすく、家全体が生き生きとした雰囲気になります。
次に南・北西・東も吉方位。南は名誉運や人気運、北西は家長の運を高める方角です。
東は太陽が昇る方向で、発展や若さの象徴ともされます。
一方で、北東(鬼門)や南西(裏鬼門)は氣の乱れが生じやすく、門の設置には注意が必要。どうしてもその方角しか取れない場合は、植栽や照明で氣を整えると良いとされています。
東南の門は“発展運”の象徴。人生の新しい流れを作る開運の入口です。
門の位置は、家の玄関や道路との関係も大切です。
たとえ吉方位でも、氣がまっすぐ抜ける配置だと効果が半減してしまいます。
門から玄関まで一直線の配置は氣が速く流れすぎるため、家に留まらず外へ出てしまいます。
できればアプローチを曲線にしたり、植栽を設けたりして、氣をゆるやかに導くようにしましょう。
門扉は左開きが吉とされます。右開きだと「氣が外に逃げる」とされ、家庭運を損ないやすいといわれます。
日常の使いやすさと合わせて、できるだけ左開きを意識すると良いですよ。
また、門の「張り出し」は吉、逆に「欠け(凹み)」は凶相です。
門が敷地形状とちぐはぐになっていると、氣のバランスが崩れやすくなるため、全体の形の調和を意識しましょう。
例えば、次のように整えると理想的です。
──これらの方角は家族運・財運を整えるバランスの指標となります。
門そのものよりも大切なのが、そのまわりの氣の通り方です。
通路や道路、塀とのバランスが取れているかどうかで、運の流れが変わってきます。
門から玄関までのアプローチは明るく整っていることが大切。
暗い通路や雑草が生え放題だと、せっかくの吉相が活かせません。
道路が門に向かってまっすぐ伸びていると、氣が一気に押し寄せてしまい、家の中が落ち着かなくなります。
アプローチに曲線をつけたり、鉢植えを置くことで氣の勢いをやわらげましょう。
門まわりは常に清潔に。ゴミや枯葉を放置しておくと、陰の氣が溜まりやすくなります。
毎日の掃除やライトアップで、氣の循環を維持しましょう。
門まわりの清掃と明るさは、運を呼び込む“隠れた開運術”なんです。
陰陽五行説の観点から見ると、門は「金」と「木」の氣の中間にある存在です。
外から氣を受け入れ、内へ流す役割を持つため、五行の調和を取るとさらに運気が安定します。
例えば、方角ごとに以下のような素材や色を意識すると良いでしょう。
──このように五行の氣を補い合うことで、門全体の氣が安定し、家に穏やかに流れ込みます。
中国の神話では、門には常に神が宿ると考えられてきました。
特に有名なのが「門神(もんしん)」と呼ばれる存在で、家を邪気から守る役目を担います。
門神として知られる「秦叔宝(しんしゅくほう)」や「尉遅敬徳(うっちけいとく)」は、悪霊を追い払う守護神として門扉に描かれてきました。
つまり門は単なる出入口ではなく、神聖な結界のような意味を持っていたのです。
現代の門もまた、家を守り、氣を導く“結界”のような存在。
そう考えると、門の手入れや方角を意識することは、古代から続く祈りの形なのかもしれません。
五行要約
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