
陰陽師(おんみょうじ)といえば、式神やお祓いのイメージが強いかもしれませんが、じつは“霊を視る力”=霊視も超重要なお仕事のひとつだったんです。
でも、目で見えるわけじゃない…じゃあどうやって霊を“視る”の?
その答えは、九字切りと式盤、そして言霊の力を使った儀式的な観測法にあります。このページでは、そんな陰陽師の霊視の方法について、まるっと解説していきます。
まずスタート地点になるのが、九字護身法(くじごしんほう)。
「臨・兵・闘・者・皆・陣・列・在・前」と唱えながら、手刀で空中に線を切っていく――この動作を九字切りって呼ぶんです。
これはただの儀式じゃなくて、邪気や霊的な存在と接触する“フィールド”を整える儀式。同時に、自分自身の霊的防御も整えるという、いわば“準備運動”ですね。
九字を切ることで、霊が視える空間が開かれる。
・・・つまり陰陽師にとっての“眼”を開くプロセスともいえます。
次に登場するのが、式盤(しきばん)。
式盤は、天体の盤(円形)と地の盤(方形)を重ね合わせて作られた神秘のツールで、十二天将や八卦、干支といった霊的パターンが刻まれています。
これを回転させて調整すると、霊のいる位置、状態、干渉の方向などが占断できると言われてきました。
つまり、式盤は“霊の座標”を測るコンパスのような存在なんです!
でも霊視は、式盤だけで終わりません。次のステップは――
得られた情報を呪文や護符と組み合わせて処置を判断すること。
たとえば、
っていう感じで、視る → 理解する → 行動するって流れになるんですね。
霊視には、見たり測ったりするだけじゃなくて、意識や五感を研ぎ澄ます作業も大切です。
そのために使われるのが、真言や呪文の詠唱。
これらを繰り返し唱えることで、波動が整い、霊的な気配が“感じ取れるようになる”んです。
言ってみれば、霊を見る=心でキャッチするという感じですね。
実はこの霊視の技法、中国の道教+密教+日本独自の陰陽道が混ざってできた“融合技”なんです。
特に九字護身法は、道教の仙人・葛洪の術が元ネタ。
それが日本に伝わって、密教の手印(ていん)や真言とくっついて、より強力で複合的な技術に進化したというわけ。
陰陽師の霊視は、見えない霊を、言葉・印・道具の“連携プレイ”で捉える高度な技法だったんですね。
五行要約