
陰陽道における「歩き方」といっても、ただの移動手段じゃありません。足を使って地を鎮め、場を整え、邪気を押し込める――それが呪術的歩行法の本質なんです。
中でも有名なのは反閇(へんばい)ですが、実は一口に反閇と言ってもバリエーションが豊富。このページでは陰陽道で用いられてきた歩き方の種類を、それぞれの意味や特徴とともに解説します!
陰陽道の歩法の原点といえるのが、中国古代の禹歩(うほ)です。
これは夏王朝の禹王が水害を鎮めるために山河を歩き続けたという伝承から来ており、「片足を引きずるように歩く」という特徴を持っています。
歩き方には意味があって、
いわば「歩くことで天地を整える」という、最も原始的な“地鎮呪法”だったんですね。
反閇(へんばい)は、禹歩を基盤に日本で発展した呪術的歩法。
特徴は足を千鳥足のように踏みしめることで、歩数やリズムによって場の霊気を浄化する点にあります。
使い分けられる代表的な歩数には、
歩くごとに呪文(祓詞や星名)を唱え、地に邪気を押しつける所作が組み合わさって、結界のような空間が生まれます。
さらに発展したのが玉女反閇法。これは「玉女」という神霊を招きながら歩行する、高度な呪術儀礼です。
祭壇などに反閇局という円形の歩行範囲を描き、その中を禹歩ベースで進みながら、
という働きを持ちます。いわば歩きながら結界と神降ろしを同時にやるような、上級者向けの術なんです。
反閇はその形式や規模によって、さらに大反閇・中反閇・小反閇に分類されることもあります。
違いは主に次の通り:
使う道具や歩き方が違っていて、儀式の内容や場の大きさに合わせて選ばれるわけです。
実はこの歩法の要素は、日本の芸能や祭祀にも色濃く受け継がれています。
これらはどれも「地を踏み固める」ことで、邪を祓い、神を呼び、秩序をもたらすという反閇の考え方を体現しています。
五行要約