安倍晴明――平安時代の“最強陰陽師”と呼ばれるこの人物の最期は、実はとっても静かで、でもどこか神秘的なんです。百鬼夜行を見破り、天皇を護り、数々の伝説を残した彼が迎えた最期の瞬間、気になりませんか？

 

このページでは、安倍晴明の「命日」「死因」「伝説における最期の姿」までを、史実と逸話の両方から解き明かしていきます。

 

 

命日と没年齢

安倍晴明がこの世を去ったのは1005年10月31日、和暦では寛弘2年9月26日。このとき、晴明は85歳でした。

 

平安時代の人の平均寿命を考えると、これはかなりの長寿。しかも死の直前まで陰陽寮に在職していたとも言われていて、まさに「生涯現役」の陰陽師だったんです。

 

死因は“記録にない”というミステリー

ところが、この安倍晴明の死因について、当時の記録は残されていません。病気だったのか、老衰だったのか、それとも別の理由か――。何も語られていないというのが、逆に不気味ですよね。

 

そして晴明の死については、こんな言い伝えもあります。

 

「死してなお力を持つ者」として恐れられ、遺体や墓所の所在すら慎重に隠された

 

つまり、死んだあとでさえ、彼の霊力を恐れていた人たちがいた、ってことなんです。

 

蘆屋道満との最期の決闘――伝説の復活劇

実は、もっとドラマチックな“死”の話もあります。江戸時代の読み物『安倍晴明物語』では、ライバル・蘆屋道満との勝負に敗れた晴明が斬り殺されるという衝撃展開。

 

でもそれで終わりません。なんと、晴明は中国からやってきた高僧・伯道上人の力によって蘇り、逆に道満を打ち倒すという逆転の復活劇が描かれています。

 

もちろんこれは物語上のフィクション。でも晴明がそれだけ「死んでも終わらない存在」だったっていうイメージが、昔の人たちの中にあったことは確かです。

 

晴明の死後と神格化

死後2年後の1007年晴明神社が建てられます。これは当時の一条天皇の命によるもので、つまり国家的に「神」として祀られる存在になったということ。

 

しかもその神社はいまでも京都で大人気のパワースポット。千年以上の時を越えて、晴明は今も生き続けているんです。

 

誰に殺されたのか？の問いの答え

結論から言えば、晴明を殺したのは誰でもない。つまり「自然死」だった可能性が高いです。

 

ただし、「蘆屋道満に殺された」などの劇的なバージョンも、説話や小説の中では語り継がれています。そういった伝承は、“ただ死んだだけじゃない存在”として晴明を記憶に残すための装置だったのかもしれません。