陰陽師は明治維新後に撤廃されてしまいますが、律令制の下で出来た、中務省陰陽寮陰陽師は、江戸時代まで健在でした。
むしろ江戸時代には陰陽道信仰が盛り上がり、かなり多くの陰陽師が活躍したんですよ。
陰陽師というと平安時代というイメージが強いかもしれませんが、陰陽師が務めた「陰陽寮」は、奈良時代中期に施行された『養老令』下にあり、『養老令』は飛鳥時代末期に施行された『大宝令』とほとんど同じ内容です。
陰陽道のベースとなる陰陽五行思想は、飛鳥時代にはすでに伝わっていたので、陰陽師の歴史は飛鳥時代から始まったといえます。平安時代のイメージが強いのは、平安時代に陰陽道の宗教化と陰陽師の神格化が起こったからです。まさに陰陽師全盛といえる時代です。
以降凋落と興隆を繰り返しながらも、陰陽寮が廃止される明治時代まで存続した職業なので、陰陽師の歴史は、飛鳥時代末期から江戸末期まで続いたものといえます。