陰陽師というと平安時代というイメージが強いかもしれませんが、陰陽師が務めた「陰陽寮」は、奈良時代中期に施行された『養老令』下にあり、『養老令』は飛鳥時代末期に施行された『大宝令』とほとんど同じ内容です
陰陽師というのは、風雲・天文観測をして、暦をつくり、吉凶を占うのが仕事です。創作物では霊や魂を沈めたりする霊能者まがいのこともやっていますが、それは主な仕事ではありません。
陰陽師
⇒陰陽道という理論体系を学んで、修行に努めたものだけがなれる、後天的な存在。
霊能力者
⇒特殊な能力を供えて生まれてくる先天的な存在。
根本的に異なる存在ですね。霊能力者はセンス、陰陽師は技術・学問といったらわかりやすいでしょうか。
陰陽師が行う呪術や占術は、「五行説」や「太極図」など理論体系に基づいた科学であり、同じことをそれを学んでいない霊能者にやれといわれても無理でしょう。
逆に霊能者が出来ることを、陰陽師が出来るとは限らないわけです。
怨霊思想が広がってからは、怨霊払いのような仕事もするようになったので、一緒にされやすいですが、陰陽師はあくまで科学者と思ってください。
霊能者には、様々な特殊能力を持った者がいますが、陰陽師のようにベースとなる理論があるわけではないのです。