陰陽師というと平安時代というイメージが強いかもしれませんが、陰陽師が務めた「陰陽寮」は、奈良時代中期に施行された『養老令』下にあり、『養老令』は飛鳥時代末期に施行された『大宝令』とほとんど同じ内容です
陰陽師というのは、奈良時代以降設置された「陰陽寮」という国家機関に属する正式な職業でした。しかし明治維新後に陰陽寮が廃止され、陰陽師・陰陽道は排訴、活動すら禁止されてしまいました。
少なくとも「律令制において中務省に属する機関の一つ『陰陽寮』の官職」という本来の意味での陰陽師という存在は現代には存在しません。
昔は国家資格のように、国に特権を与えられた土御門家が発行する免状を取得した者だけが、陰陽師になる権利を得ることができました。
しかし免状をくれる公式な機関(陰陽寮)がなくなってしまった現代において、もう誰も陰陽師を名乗ることはできないのです。
いくら医療の知識に精通して人を治療できる技術を持っていても、免許制度がなければ医師免許を持てず医者とも名乗れないのと同じです。
ただ陰陽師を自称することならいくらでも出来ますし、近い存在ならば占い師、天文学者、気象予報士などがそれにあたるでしょう。陰陽師的なものに憧れるのなら、そこを目指すのもいいかもしれません。
また天社土御門神道は、安倍晴明の子孫である土御門家の流れを汲む陰陽道の流派です。書籍などで独学で陰陽道を学ぶのは限界があるでしょうから、それ以上のことを学びたければこういった所に行き、色々話を聞くのがいいかもしれません。