陰陽道に由来する儀式・風習まとめ
このカテゴリーでは節分や土用、鬼門封じといった現代にも残る風習が、陰陽道の思想や呪術にどのように根ざしているかを紹介します。暦の区切りや災厄除けの儀式など、陰陽道に由来する習俗への理解を深める助けになれば幸いです!

陰陽道に由来する儀式・風習まとめ

いまでも神社やお寺でやってる「厄払い」や「節分の豆まき」。あれって実は陰陽道にルーツがあるんです。現代では民間の風習として受け入れられてるけど、もともとは国家の公式行事だったっていうから驚きですよね。

 

陰陽道は陰陽五行天文学の知識をベースに、占術・呪術・方位術を組み合わせた日本独自の実用的儀礼体系。それがいつしか天皇家や貴族の儀式に取り入れられ、いまの季節行事や風習にも深く結びついています。

 

このページでは、陰陽道に由来する代表的な儀式や風習をピックアップして、身近な文化とのつながりを紹介していきます。

 

 

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節分と豆まきは厄払いの儀式だった

「鬼は外、福は内」でおなじみの節分。これももともとは陰陽道の「儺(な)祭」と呼ばれる厄払いの行事から来ています。

 

  • 紙人形に息を吹きかけて厄を移し、火で焼いて祓う
  • 豆をまいて邪気(鬼)を追い払う
  • 恵方(吉方位)に向かって恵方巻を食べる

 

この「恵方」も陰陽道における方位術の考え方から来てるんですよ。

 

吉田神社の追儺(節分儺儀式)
陰陽道に取り入れられた儺の儀式で、陰陽師に導かれる方相氏やシン子が鬼を祓い、鬼への供物と祭文を通じて邪気を払い清める場面を捉えた歴史的風景

出典:Author:中島荘陽 / Wikimedia Commons Public domainより

 

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泰山府君祭などの国家儀礼

陰陽寮では国家の安泰天皇の正統性を祈るための大規模な儀式がたくさん行われていました。

 

  • 泰山府君祭:正月元旦に国家安寧を祈る儀式。水を供えて斎戒を行う
  • 天曹地府祭:天皇即位の際に実施。天命と政治の正統性を示す
  • 大将軍祭・三元祭:星や方位神に対する祈願

 

夜通し行われる荘厳な祭儀だったそうで、まさに「儀式のプロフェッショナル」ですね。

 

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物忌と斎戒の生活習慣

陰陽師は儀式に入る前、「物忌(ものいみ)」という厳しいルールを守る必要がありました。

 

どういうルールかというと…

 

  • 口にするものや行動を制限(肉食や喧嘩は禁止)
  • 柳の枝や桃の葉などを用いて穢れを祓う
  • 入浴・洗顔・白装束などで身体を清める

 

とまあ、今でいう「デトックス」に近いものかもしれませんね。

 

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方位信仰と現代の風習

東北の鬼門、南西の裏鬼門など、家相や引っ越しのときによく聞く方位の話も、ぜんぶ陰陽道に由来してるんです。

 

  • 鬼門を避けて家の玄関やトイレを配置
  • 吉方位を占って旅行や結婚の日取りを決める
  • 正月にその年の恵方へ参拝する「恵方参り」

 

現代では「風水」と呼ばれがちですが、もともと日本で定着させたのは陰陽道なんですよ。

 

風水で使われる羅盤(ルオパン)
風水における方位判定のための道具で、気の流れを読み解くために使用される複雑なコンパス

出典:Author:Pcae18 / Wikimedia Commons CC BY-SA 3.0より

 

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年中行事として残る祓いと祝詞

今でも神社で耳にする「大祓詞(おおはらえのことば)」。これも陰陽道の祭祀に取り込まれた重要な祝詞です。

 

  • 6月・12月の大祓では、半年分の穢れを祓う
  • 厄年祓い・八方除けなども陰陽道の発想
  • 災害や疫病時に臨時の祓い儀式が行われた

 

こういった儀式は、陰陽道が「社会の健康と安定」を担っていた証拠でもありますね。

 

五行要約

 
  1. 節分の豆まきや恵方巻は陰陽道の厄祓い儀式がルーツ!
  2. 泰山府君祭などは国家レベルの陰陽祭祀だった!
  3. 物忌や斎戒など、生活習慣にも呪術的ルールが存在!
  4. 家相・方角信仰・恵方参りもぜんぶ陰陽道由来
  5. 大祓・厄祓いなど、今も神社行事に陰陽道の名残が!