陰陽道と縁のある植物や動物
このカテゴリーでは陰陽道における霊的意味を持つ植物や動物を取り上げます。祓いの儀式で使われた榊や呪木、式神としての狐や三足烏、さらには人面樹・妖獣など、陰陽道の自然観への理解を深める助けになれば幸いです!

陰陽道と縁のある植物や動物

自然の中にある植物や動物――じつはその一つ一つに、陰陽道ではしっかりと意味があるんです!ただの草木や獣じゃないんですよ。それぞれが陰陽五行と深く結びついていて、健康の手がかりになったり、儀式の主役になったり…と大活躍!

 

このページでは陰陽道とゆかりのある植物や動物たちを、五行に沿ってわかりやすくかみ砕いて解説していきます!

 

 

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植物と五行のつながり

陰陽道では、すべての自然現象を五行(木・火・土・金・水)に分類します。もちろん植物もその例外じゃありません。代表的な植物と五行の関係はこんな感じ。

 

  • 木行(春・東)よもぎ・山菜・新芽など。生命のはじまりと発散のエネルギーで、「気の巡り」に効くとされていました。
  • 火行(夏・南)赤い実・ヒマワリ・唐辛子など。炎や情熱の象徴で、陽気を高める植物たちです。
  • 土行(土用・中央)蓮根・大根・カボチャなどの根菜。安定感と滋養を与える存在です。
  • 金行(秋・西)菊・白百合・ダイコンの花など。収穫や整理の季節に対応し、乾燥を和らげる植物とされます。
  • 水行(冬・北)黒豆・昆布・ワカメなど、寒冷と静寂の象徴。腎を守ると考えられていました。

 

ちなみに、儀式で焚かれるお香や祭壇に供える草木も、これらの分類に従って選ばれていたんですよ!

 

五行の相生相克図(日本語版)
木・火・土・金・水の五行がそれぞれ生成(相生)・抑制(相克)しあう関係を示す伝統思想の図

出典:Create by Ju gatsu mikka / Wikimedia Commons CC BY-SA 2.5, 2.0, 1.0より

 

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干支と動物の陰陽五行

干支でおなじみの十二支にも、それぞれ季節と五行の性質が割り振られているんです。

 

  • (寅・卯・辰)=木行(成長・拡大)
  • (巳・午・未)=火行(活発・変化)
  • (申・酉・戌)=金行(収束・整備)
  • (亥・子・丑)=水行(貯蔵・静養)

 

つまり、たとえばウサギ(卯)は木行=「春の気」を宿し、柔らかさ・成長の象徴として、穏やかで育みのある性格を表す動物とされていたんですね。

 

この分類は、単に占いに使うだけでなく、狩猟や飼育、収穫のタイミングを選ぶ基準としても用いられていました。

 

二十四方表:十二支と方位の対応図
干支(十二支)を北=子、東=卯、南=午、西=酉の方位に対応させた図。干支と方位の象意を通じて風水や陰陽道の方位学に活用される

出典:Author: Locoluis / Wikimedia Commons CC?BY?SA?3.0より

 

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四神獣と自然への信仰

陰陽道では東西南北に四神(しじん)という神獣が配置されています。これは動物と自然の力をリンクさせた、いわば象徴システム

 

  • 青龍(東・春・木):流れ・生命・新たな始まり
  • 朱雀(南・夏・火):炎・飛翔・浄化
  • 白虎(西・秋・金):決断・攻防・威厳
  • 玄武(北・冬・水):蓄積・防御・再生

 

この四神は、京都や薬師寺の建築でもおなじみで、方位除けや土地清めの儀式にも登場します。つまり、動物=ただの生き物ではなく、自然そのものの意思とされてたんです。

 

四神が組み入れられた二十八宿の天文図
陰陽道の元になった中国古代の天文占星術に基づく図像。月の運行に応じて黄道近くの星宿に割り当てられている。

出典:Author:Mysid / Wikimedia Commons CC BY-SA 3.0より

 

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養生と生活に活かす動植物

陰陽道のすごいところは、これらの知識を実生活に落とし込んでたこと。

 

たとえば─

 

  • にはよもぎ茶を飲んで気の巡りを良くし、
  • には赤い実を食べて陽気を高め、
  • には菊を使って肺を潤し、
  • には黒豆を煮て腎を守る。

 

─といった具合です。

 

他にも動物の行動や気配も、季節の兆しとして観察されていました。「ツバメが来たから田植えの準備を」とか、「鹿が鳴き始めたら冬支度」みたいな感じですね。

 

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現代にも息づく陰陽道的自然観

今でも薬膳・マクロビオティック・アロマセラピーなどには、この五行×植物×季節の考え方が応用されています。

 

さらに、星祭り節分の豆撒き桃の節句など、動植物に意味を持たせた風習は、現代の生活にもふつうに残っていますよね。

 

五行要約

 
  1. 植物は五行に対応し、養生や儀式に使われた!
  2. 干支の動物にも季節や五行の属性がある!
  3. 四神獣は方位や自然を守る神獣だった!
  4. 動植物の観察から占い・養生・農事を判断していた!
  5. 現代の風習や自然療法にもその知恵が息づいてる!