
陰陽道(おんみょうどう)って聞くと、呪術や占いってイメージが先にくるかもしれませんが、実はすごく理論的な方位学(ほういがく)のシステムでもあったんです。
「北東は鬼門」「南がいい方角」なんて話、聞いたことある人も多いはず。それ、全部この陰陽道の方角思想がルーツなんですよ。
このページではそんな「陰陽道における方角の意味」について、スピリチュアルな話だけじゃなくて、どれだけ学問として体系化されてたかを、わかりやすくかみ砕いて解説します!
陰陽道の方角の考え方は、まず以下の陰陽五行説※からスタートします。
さらに、南は陽、北は陰というように、方角に「性質」を割り当てていくのが特徴。これが四季の移ろいや一日の時間の流れ(昼=陽、夜=陰)とも対応してて、すごく自然な感覚なんです。
※陰陽五行説(いんようごぎょうせつ)
古代中国で生まれた自然哲学で、「陰陽説」と「五行説」を統合した思想体系。万物を陰と陽の二元で捉え、木・火・土・金・水の五行が相互に生み出し、打ち消し合うことで自然界の変化を説明する。医術や占星術、政治思想など幅広い分野に影響を与え、日本の陰陽道の基盤ともなった。
陰陽五行と方位の基本対応図
北=水、東=木、南=火、西=金、中央=土という陰陽五行説にもとづく方位と元素の対応を示した図。風水、陰陽道、四柱推命などで方位判断や性質理解に活用される
出典:Author:劉參陽 / Wikimedia Commons Public domainより
この五行とセットで使われるのが八卦(はっけ)という図形。これも方角と深く関わってます。
つまり、「この方角にはこの性質があるよ!」っていうのが、視覚的にもパッとわかる仕組みになってるんです。
八卦爻と太極
八卦にそれぞれ名前と象意が記され、陰陽道で用いられる方位の理解や陰陽五行との調和を視覚化した図
出典:Author:BenduKiwi / Wikimedia Commons CC BY?SA 3.0より
陰陽道では、方角を単なる「方向」じゃなくて、「そこにいる神さまのご機嫌」で良し悪しが変わると考えます。これが方位神の考え方。
有名なのは以下のような神々たち!
年や月ごとに方角が変わるから、「今年はこっちに引っ越しちゃダメ」なんて言われるのは、こういう神さまが巡回してるからなんですね。
金神(こんじん)
特定の方角(その年の十干によって変わる)に棲むとされ、そこに災いをもたらす存在として陰陽道で恐れられた
出典:Author:柄沢照覺(柄澤照覺) / Wikimedia Commons Public domainより
とくに北東(艮)は「鬼門(きもん)」と呼ばれ、昔から特別に避けられてきました。逆に南西(坤)は「裏鬼門」とされてます。
たとえばお寺や神社では、鬼門にあたる方角に守護神を置いたり、盛り塩をしたり、建物の角度そのものをずらして対策したり…建築とセットで用心深く設計されてたんですよ。
この考え方は家相にも影響していて、「玄関が鬼門にあると良くない」っていうのも、陰陽道の理論が元になってます。
京都御所の築地塀
鬼門=北東角に位置する築地塀をあえて欠けた形にして、鬼門を封じる対策がなされている。角=ツノ=鬼として、ツノをとって鬼を封じるという理屈である。
出典:Author:歴史忠実 / Wikimedia Commons CC BY-SA 4.0より
方角と吉凶の話って、いかにもスピリチュアルっぽく聞こえるかもしれません。でも実は、
「長い観察と経験の積み重ね」で形成された実用知識
なんです!
特に中国や日本の風水や都市計画では、地形・方角・水の流れ・太陽の位置などとあわせて、論理的に判断してたんですよ。現代の科学的思考とはちょっと違うけど、そこに通じる感覚もあるんです。
模型で再現された平安京の全体図
中国由来の風水思想に基づき設計された平安京の都市構造を立体的に示す模型
出典:Sakaori / Wikimedia Commons CC BY-SA 4.0より
五行要約