
陰陽道(おんみょうどう)には、現代のファンタジー作品にもたびたび登場する「すご技」や「呪術」がたくさんあります。でも、それらは単なる作り話ではなく、実はちゃんとした思想体系と実践技術に基づいたものなんですよ。
このページではそんな陰陽道の世界で信じられていた「本当にあった陰陽師の技・能力」について、わかりやすくかみ砕いて解説します。
不動利益縁起絵巻の一場面
園城寺(三井寺)の縁起『不動利益縁起』絵巻から、安倍晴明が式神2匹を従え、病身身代わりの祈祷を行う中盤の場面
出典: Wikimedia Commons public domainより
式神(しきがみ)とは、陰陽師が呼び出して使役する霊的な存在のこと。紙や札に術を込めたり、呪文を唱えたりして、陰陽師の命令に従わせます。
式神の正体は神霊だったり怨霊だったり…力の強さは陰陽師の実力に比例するとも言われています。
24方向図
陰陽五行に基づく24方位を図示したチャートで、陰陽道における八将神が担う各方位の役割を理解するために使われる
出典:Author:Masato / Wikimedia Commons CC BY?SA 3.0より
昔の人は「こっちに引っ越すと災いが起きる!」なんて言ってましたが、それって陰陽道でいう八将神(はっしょうじん)の影響なんです。
八将神(はっしょうじん)には、大将軍 (方位神)のような「万事に凶」といわれるようなやばいのもいて、陰陽師は、方位盤や宿曜法を用いてこういう凶神を避けられる「安全な方角」を見極めていたんです。
そしてそれに従って、お祓いや結界を張って安全を確保するのが「方除け」という技なんですね。
『たまものまへ』
江戸時代初期の奈良絵本の絵。陰陽師が算木で占いを行う様子を描いている
出典:Tamamonomae Onmyoji / Public domainより
「運勢を知りたい!」「未来を予知したい!」ってときに活躍するのが、陰陽道の天文暦法と占筮(せんぜい)の技。
安倍晴明もこの天文占術の達人で、貴族たちの政略にも深く関わっていたとか。
「言葉には魂がある」って、今でも言いますよね。陰陽道では、まさに言霊(ことだま)が現実を動かす力として信じられていました。
強い陰陽師ほど、無言でも空気を変える「言霊使い」だったらしいですよ。
百鬼夜行
『今昔物語集』において、陰陽師・賀茂忠行が内裏からの帰途、幼い安倍晴明に呼び止められ百鬼夜行に遭遇。晴明の霊視力により災厄を回避し、以後忠行は晴明を弟子として育てたという。
出典:河鍋暁斎/Wikipedia Commons Public Domainより
「未来が視える!」「霊が見える!」とされる霊視能力や、運命そのものに干渉するような命術も、陰陽道には含まれています。
極めつけは泰山府君祭と呼ばれる生命延長の儀式。国家レベルで執り行われた記録もあります!
五行要約