
安倍晴明はもはや故人にあらず。千年の時を越えて、伝説・神話・フィクションの世界で今も息づいてる存在です。このページでは、そんな安倍晴明の知られざる雑学や、現代文化との関わりをざっくりまとめていきます。
晴明にまつわる伝説の中でも、とくに知られているのが「母が狐だった」という葛の葉伝説。このお話は室町時代の浄瑠璃などで広まり、「人間離れした力をもつ天才」としてのイメージを後押ししました。
さらに、13世紀頃の説話集『宇治拾遺物語』や『古事談』では、彼が藤原道長を救う呪術バトルの主役として登場。陰陽師バトル漫画顔負けのストーリー展開で、道満との術比べや妖怪との対決など、手に汗握る展開が目白押しです。
説話の中では、ただの国家公務員※じゃない、まるで“異能バトラー”みたいな活躍ぶりなんですよ。
※古代日本における陰陽師は、朝廷に属する官職「陰陽寮」の役人であり、れっきとした国家公務員。天文・暦・風水・占術を担当し、国家儀礼や災異対策に従事。中でも安倍晴明は高位に昇り、天文博士として朝廷に重用された。
葛の葉狐伝説を描いた絵画
法師陰陽師として知られる安倍泰名ゆかりの物語で、六トウに由来する智略を伝える陰陽師・安倍晴明の母とされる狐女・葛の葉が、自らの正体を明かし子を残して去る瞬間を描く
出典:月岡芳年 / Wikipedia Commons パブリックドメインより
五芒星(晴明桔梗)は、いわば晴明の“マーク”。陰陽五行の「相克関係」を表す魔除けの図形として、いまも晴明神社やグッズにバッチリ使われてます。
さらに有名なのが、晴明の手足として働くとされた式神(しきがみ)の存在。
神々や霊的な存在を呼び出して使役するなんて、もはやファンタジーの世界ですが、当時はわりとマジで「スパイ活動に使える」「術者の力量で暴走する」なんて信じられていたんです。
1980年代の小説『帝都物語』で陰陽道が再注目され、さらに夢枕獏の小説『陰陽師』が1988年から大ヒット。漫画・映画・アニメに展開されていって、「陰陽師=安倍晴明」のイメージが一気に広まりました。
たとえば人気漫画『シャーマンキング』『双星の陰陽師』『ぬらりひょんの孫』などにも登場モチーフとして登場しています。ギャグアニメ『銀魂』や『ミッドナイト・オカルト公務員』にもオマージュが見られますね。
フィクションの世界でも、もはや“チート級”キャラとして君臨中です。
2001年公開の映画『陰陽師』(主演:野村萬斎)は、日本全国に晴明フィーバーを巻き起こしました。十字紋アクセやフィギュアまで登場して、「カッコイイ和のヒーロー」像が定着。
さらに中国や韓国でも『陰陽師』を実写化。映画『陰陽師: とこしえの夢』(2020)などが話題になり、アジア全域で晴明が浸透しました。
舞台版では「現代能」のかたちで演じられたこともあり、クラシックな芸能と現代の融合もおもしろいところです。
スケート界でも話題になったのが羽生結弦選手のプログラム「SEIMEI」。映画『陰陽師』のBGMを使って、五芒星をイメージした衣装と演技で世界を魅了しました。あれはまさに「現代の陰陽師」そのものでしたね。
イベントでは京都の晴明神社が有名。毎年秋分の時期に開かれる晴明祭では、式神モチーフのグッズを求めて全国からファンが集まります。
そしてゲームの世界でも大活躍!
時代も国境も飛び越えて、ゲームの中でも式神を従えてる晴明、強すぎです。
晴明神社 拝所と本殿の風景
陰陽道を体現する晴明神社において、民間信仰と神仏習合の伝統が息づく拝所と本殿の風景
出典:Naokijp氏 / Wikimedia Commons CC BY-SA 4.0より
五行要約